2010年11月
日本におけるがんトランスレーショナルリサーチの現状と課題
日薬理誌
- ,
- 巻
- 136
- 号
- 5
- 開始ページ
- 294
- 終了ページ
- 297
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1254/fpj.136.294
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 日本薬理学会
がんの制圧は世界の悲願であり,がんの本態の理解は,新規医療の創生に結び付く.ゲノム医科学の進展は,医療開発研究に新たな可能性を与えるとともに,画期的な新治療への期待をさらに大きなものとした.実際,がんの病態解明研究は急速に進化し,さまざまな分子標的薬を登場させ,個別化医療の新概念を実践の場に根付かせた.しかしながら,現在までのところ,画期的な治療,新薬の開発は稀少例にとどまっており,その成果は総じて期待はずれ,ないしは頭打ちである.「膨大な科学的発見,巨大な資本の投入,されど極めて低率な社会還元」,ためにがんトランスレーショナルリサーチの重要性が広く認識され,その効率化と促進へ向けてさまざまな対策・工夫が試みられている.しかしながら,いまなお多くの課題が山積している.本邦におけるがんトランスレーショナルリサーチの現状,直面する課題,そして今後について概説した.
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.1254/fpj.136.294
- ISSN : 0015-5691
- CiNii Articles ID : 10029416958
- CiNii Books ID : AN00198335