論文

査読有り
2020年3月

スチームコンベクションオーブン加熱で調製したサトイモの白煮の塩分浸透について

神戸女子大学家政学部紀要
  • 後藤昌弘
  • ,
  • 岩田惠美子
  • ,
  • 大石恭子

53
開始ページ
1
終了ページ
3
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

煮物料理における塩分の浸透は,ガスコンロによる通常加熱とスチームコンベクションオーブンのスチームモードによる加熱(SCO加熱)で違いがあるかを検討した。塩分濃度は沈殿滴定法により測定した。また,食品への味の染み込みや食味は2点比較法による官能検査で調査した。
「サトイモ白煮」をスチームコンベクションオーブン加熱と通常加熱で調製し,その塩分濃度を比較したところ,調味液,サトイモともに通常調理したものが有意に塩分濃度が高かった。これは通常調理では水分蒸発によって調味液が煮詰まるため塩分濃度が高くなったと考えられた。また,官能検査では,通常調理したサトイモの味の濃さが有意に高かった。これらのことからクックサーブで煮物料理を提供する場合は,SCO加熱と通常加熱では調味液の塩分濃度を変える必要があり,SCO加熱では通常調理の一般的な調味液濃度よりも高い濃度で調理する必要があることが示唆された。

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