2001年
馬鈴薯でん粉あるいは化工馬鈴薯でん粉添加が製パン性に及ぼす影響
日本調理科学会
- ,
- 巻
- 34
- 号
- 1
- 開始ページ
- 53
- 終了ページ
- 61
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11402/cookeryscience1995.34.1_53
- 出版者・発行元
- 日本調理科学会
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋馬鈴薯でん粉(以下化工でん粉)の特性を調べるとともに,小麦粉の0~30%を馬鈴薯でん粉または化工でん粉に置き換えた際の製パン性への影響について検討を行い,以下の結果を得た。1.化工でん粉は,馬鈴薯でん粉に比べ,糊化開始温度が低く,膨潤・溶解しやすかった。でん粉混入(0~30%)よりファリノグラフィーの吸水率は,減少したが,その減少割合は下降でん粉のほうが小さかった。2.製パンにおいて,化工でん粉30%混入ではガス発生力がやや低下した。馬鈴薯でん粉混入において,発酵180分のガス包蔵製は対照に比べ低下した。3.パンの体積は,でん粉混入割合の増加に伴い減少した。4.パンの硬さは,でん粉混入割合の増加に伴い小麦粉のみに比べ増加したが,化工でん粉の方が影響は少なかった。パンの凝集性は馬鈴薯でん粉では混入割合の増加に伴い低下したが,化工でん粉では増加し,両者の物性に違いが見られた。5.グルテンの網状構造において,馬鈴薯でん粉を混入したパンではでん粉が進展性を妨げていたが,化工でん粉を混入したパンではでん粉の糊化・変形が大きく,グルテンの網状構造を一部を補助していた。6.でん粉を30%混入した製パンにおいては,化工でん粉の方が総合的に良好なパンが得られることがわかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11402/cookeryscience1995.34.1_53
- ISSN : 1341-1535
- CiNii Articles ID : 110001170106
- CiNii Books ID : AN10471022