2019年3月
メダカ胚の発生毒性、催奇形性およびトランスクリプトームにリチウムが及ぼす影響について(Effects of lithium on developmental toxicity, teratogenicity and transcriptome in medaka embryos)
Fundamental Toxicological Sciences
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- 巻
- 6
- 号
- 2
- 開始ページ
- 31
- 終了ページ
- 36
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (一社)日本毒性学会
ナノ秒パルス電場(nsPEF)技法とバイオインフォマティクス解析により、リチウム(Li)が、メダカ(Oryzias latipes)の胚発生毒性や催奇形性を及ぼす影響について基礎的検討を行い、その分子機序を明らかにした。その結果、1mg/LのLiCl処理により、胚発達遅滞、眼奇形、心肥大、血栓など重篤な奇形を及ぼす影響が認められた。また、nsPEFとLiCl処理した受精2日後胚のRNA-sq分析を行い、組織形成および器官形成関連の2483遺伝子における上方/下方調節遺伝子を同定した結果では、遺伝子オントロジーによるエンリッチ分析により、LiCl処理胚で、ヌクレオチド結合、ATP結合、RNA結合や核酸結合等の分子機能および細胞成分が有意にエンリッチされることが確認された。さらに、KEGGの遺伝子セットエンリッチ分析により、LiClのスプライセオソーム、細胞周期、セレン化合物代謝、TGF-βシグナリングおよびRNA分解への影響についても観察され、GSK3B、BAXおよびMAP3K8遺伝子の上方調節も認められた。
- ID情報
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- eISSN : 2189-115X
- 医中誌Web ID : 2019359164