講演・口頭発表等

2011年

物体運動の配置と軌跡が美的印象に及ぼす効果

第9回日本認知心理学会発表論文集
  • 興梠 盛剛
  • ,
  • 松田 憲
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  • 一川 誠
  • ,
  • 楠見 孝

記述言語
日本語
会議種別

静止画像への美的評価において,幾何学図形では中心よりの偏好,写真を用いた具象的な刺激では右寄りの偏好が示されてきた。この配置による印象の違いは,画像に描かれている刺激の具象性によるものであり(中嶋・一川, 2008),具象刺激を手に取りたいという利き手による操作の喚起が右寄りの偏好を規定する一因であることが示された(中嶋・一川・松田,2009)。動画像において円図形が複雑な運動をすることで生物的に感じられ,刺激への好意度を上昇させるという報告がある(松田・黒川・興梠・楠見,2010)。非具象的な刺激でも複雑な運動をさせることで具象性が高まる可能性が考えられる。そこで本研究では,複雑な物体運動を用いて,画面内の運動範囲を操作することにより静止画で見られた配置による偏好の有無を検討した。その結果,運動刺激の移動方向変化回数や加速度に応じて生物性認知が高まり,右側に配置された刺激への好意的反応が高まる傾向にあった。

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005036796