論文

査読有り
2021年11月

CS$_2$の高圧分解により得られた新しいグラファイトC-S化合物の合成と特性評価

Carbon
  • Klotz S.*
  • ,
  • Baptiste B.*
  • ,
  • 服部 高典
  • ,
  • Feng S. M.*
  • ,
  • Jin Ch.*
  • ,
  • B\'eneut K.*
  • ,
  • Guigner J. M.*
  • ,
  • Est\`eve I.*

185
開始ページ
491
終了ページ
500
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1016/j.carbon.2021.09.048

二硫化炭素(CS$_2$)は、その最も近い類似体であるCO$_2$とともに、二重共有結合からなる最も単純な分子系の一つである。高圧下では、この分子構造は分解され、拡張された結晶性またはポリマー性の固体を形成すると考えられる。ここでは、大容量高圧技術を用いて300Kで約10GPa (100kbar)まで圧縮することにより、瞬間的な反応で純粋な硫黄とC$_2$Sに近い化学組成を持つ化合物の混合体が得られ、常圧まで回収できることを示している。中性子回折,X線回折,ラマン測定の結果、この物質は硫黄がナノメートルオーダーのsp$^2$グラファイト層に結合していることがわかった。電気抵抗の温度依存性からこの化合物は45meVのギャップを持つ半導体であることが明らかになった。200$^{\circ}$C以上の温度でアニールすることで、硫黄含有量をC$_{10}$Sまで減らすことができた。この物質の構造的・電子的特性は、過去に行われたCS$_2$の高圧実験で報告された「ブリッジマンブラック」とは根本的に異なる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2021.09.048
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5072692
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.carbon.2021.09.048
  • ISSN : 0008-6223

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