共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2006年

中国語の構文及び文法範疇形成の歴史的変容と汎時的普遍性-中国語歴史文法の再構築-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16320049
配分額
(総額)
10,900,000円
(直接経費)
10,900,000円

現代中国語に存在するさまざまな文法範疇や文法装置の意味的および構造的特質は、言うまでもなく、そのすべてがそれ以前の中国語に存在したわけではない。それらのうちのあるものは古代中国語の時代から現代まで汎時的に継承されているが、あるものは多様な変容を遂げて現在に至っている。本プロジェクトの目的は、5名の研究者が、近年の現代中国語の研究を通して得られた各種の文法範疇や文法装置の意味と構造に関する有益な知見を参照しつつ、各時代における様相を詳細に検討し、その成果を共同討議し、それらの作業を通して各時代間の差異とそれを生み出すメカニズムを明らかにし、同時に、古今を通じて不易の中国語としての普遍的特質や、汎時代的に有効に機能している文法的および意味的範疇の存在を明らかにし、それらの範疇化を動機づける関与的なパラメータを究明することにある。
平成16年に始動した本プロジェクトでは、上記の目的を共有する5名の研究者が、各自が分担する時代分野を対象に、語順、ヴォイス、アスペクトなど複数の問題を取り上げ、一次資料の綿密な分析を通して、それぞれの時代の中国語の状況を明らかにした。成果報告書に収めた論考をはじめとする一連の成果は、中国語の文法事象の歴史的変容における多様性と汎時代的な普遍性を究明する上で、極めて重要な記述的資料と理論的基礎を提示するものであり、中国語歴史文法の再構築に大きく寄与するものである。

ID情報
  • 課題番号 : 16320049