共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2022年3月

高精度年代測定法の開発と適用可能な考古・歴史資料の拡大

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K21654
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

第一に年代決定の基本軸として、日本列島縄紋時代実年代体系の大枠を明らかにする必要があるが、炭素14年代測定法のみでは、測定対象とし得る資料に限りがあり、側結果についても誤差や試料の制約から限界が存在する。詳細な年代決定が期待できる酸素同位体比分析は、関東地方など特定の地方については基準試料が整っておらず、その1年単位で年代が決定できる特性を生かすことができない。そのため、年輪試料を探して縄紋時代に遡らせると ともに、中近世など年代が判明している考古試料に適用し、炭素14ウイグルマッチング可 能な年輪試料を年輪測定・酸素同位体比の測定と重ねて、高精度年代体系化を可能とする必要がある。そのための測定資料として、関東地方の縄紋遺跡および近世遺跡、東北地方の中世遺跡の木材試料を採取し、一部は測定した。
また、貝塚で多く産する貝殻の貝輪年代を整理し、炭素14年代・酸素同位体を重ねて新たな年代測定法を案出する目的のために、千葉県や愛知県の貝塚遺跡の貝殻資料について、貝輪成長線分析と炭素14年代測定をおこなった。
さらに、これまでに高精度年代体系化の目的で採取してきた試料の内、今回の研究目的に適した試料を検索し、以前の処理方法では測定できなかった微細な試料や処理が難しかった化殻・骨試料に対して、処理方法の工夫により測定例を増すことを検討し、愛媛県の古人骨などの測定を試みた。
11/11に東京大学総合博物館にて他の小林が代表を務める基盤B、国際共同研究推進と協同で研究メンバーが集まり、各分担者の中間報告及び今後の研究方針について打ち合わせた。
このような研究・測定の蓄積により、新たな測定対象試料の拡大に向けての道筋を探ることができた。初年度から測定報告や学会報告など、実質的な研究成果を上げることができ、2020年度以降の研究に大きく弾みをつけることができたと考える。

ID情報
  • 課題番号 : 19K21654

この研究課題の成果一覧

論文

  2

MISC

  1

講演・口頭発表等

  4