共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2005年

携帯型補助人工肺に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16591396
体系的課題番号
JP16591396
配分額
(総額)
2,700,000円
(直接経費)
2,700,000円

移植のブリッジとして高性能な携帯型補助人工肺があれば、最低限の抗凝固療法を行いながら昇圧剤などの薬物投与量を減らすことが可能となり、その結果、心肺機能の負担を軽減できる。また、鎮静や気管挿管の必要がなくなり、待機患者のQOLが向上するとともに、良好な全身状態で移植手術に臨むことが可能となる。我々の研究グループが開発してきた携帯型人工肺を、より高いガス交換効率と耐久性、生体肺に近い肺循環動態をもつデバイスに改良し、In vitroおよびIn vivoにおける評価において、次のような問題点を明らかにした。
人工肺を長期に装着する上で最も問題となるのは、抗凝固剤使用に伴う出血や回路内血栓の問題である。次に重要な問題は、人工肺のガス交換能の耐久性、そして生体適合性である。特に携帯型にする場合には、開胸操作の上で装着するので、術創からの出血による実験動物の死亡が大きな問題となっていた。そこで、抗凝固剤を出来るだけ使用しなくてもよくするための方法の1つとして、特殊な内面コーティングを施すことである。現在、我々はさまざまなコーティングの方法、例えば高分子表面にプラズマ処理を施し、プラスミノーゲンをコーティングする方法など、を評価するための準備を進めてきた。豚を用いて、Femoral Artery-Femoral veinバイパスモデルを作成、血流の持続時間により回路の開存度を測定する方法を豚を用いて確立した。また、A-V bypassによる人工肺補助が移植へのブリッジとして技術的に可能であることを確認した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16591396
ID情報
  • 課題番号 : 16591396
  • 体系的課題番号 : JP16591396