2015年9月30日
政府統計データにおける匿名化について-パーソナルデータの利活用における基盤整備との関連を中心に-
中央大学経済研究所年報
- 巻
- 号
- 46
- 開始ページ
- 457
- 終了ページ
- 478
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 中央大学出版部
近年,パーソナルデータの利活用と保護に関する議論が社会的な関心を集めていることから,本稿では,パーソナルデータの利活用における基盤整備との関連で,主として,わが国の政府統計(公的統計)を対象に,政府統計データの匿名化に関する方法的な特徴を明らかにするだけでなく,パーソナルデータと統計データの関係について考察を試みた。政府統計データについては,様々な法制度的及び技術的な措置をとることによって,政府統計の匿名化ミクロデータの作成が可能になっているが,統計データの特性,利用目的や対象となる利用者によって様々な匿名化措置が適用されることを勘案すると,政府統計データにおいても,合理的な匿名化の水準を明示するのは困難なことが明らかになった。このことは,パーソナルデータの第三者提供を可能にするために,パーソナルデータにおける特定性の低減化を議論する上でも有用であることから,パーソナルデータの利活用においては,政府統計データの匿名化に関する事例は参考になりうると思われる。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0285-9718
- CiNii Articles ID : 120005699369
- CiNii Books ID : AN00143876