1993年3月31日
マルセル・デュシャン《階段を降りる裸体[No.2]》における“運動の問題”
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
イタリア未来派や映画前史(マレーやマイブリッチの高速度写真撮影)からの影響をもとに、絵画における運動の表象として語られてきたデュシャンの絵画《階段を降りる裸体[No.2]》は、運動の問題における混合物である。作品の細部を観察してみるならば、この絵画は運動を表象すると同時に、運動を解体して「遅延」を導入する「反時代的」作品であることが判明する。この見解をデュシャンのメモの読解からも支える論考。