2020年4月 - 2023年3月
トリアセチルフサリニンCで見いだされた鉄イオン獲得以外の新たな機能
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
アスペルギルス・フミガツスはヒトや動物に対して病原性を示す。この真菌による感染症はアスペルギルス症と呼ばれ、日和見感染ではあるものの一度感染が成立すると致死率も高い非常に懸念されている感染症である。本菌についての基礎的な知見の積み上げが、感染予防対策立案や検査・診断法の開発、新規治療薬の創出につながると期待されている。
本研究ではアスペルギルス・フミガツスが産生する金属イオンキレート化合物(シデロフォア)であるトリアセチルフサリニンCとその生合成遺伝子に注目して研究を進めている。この化合物は感染宿主内での鉄イオン獲得に重要と考えられている。また、本来の生息環境中においても重要な役割を果たしていると考えられる。我々はこれまでに本菌に対して毒性を示す金属イオンとトリアセチルフサリニンCとの関連に注目しながら研究を進めている。これまでは我々が注目していた金属イオン1種に加えて、複数の金属イオンを含む化合物を用いて検討を行った。その結果、新たに1つの金属イオンでもトリアセチルフサリニンCとの関連で興味深い挙動が観察された。また、これとは別にトリアセチルフサリニンC生合成に関わる遺伝子を欠損させたところ、トリアセチルフサリニンCに対して興味深い挙動を示すことも発見している。現在、これら2種の金属イオンとトリアセチルフサリニンCの関係性やアスペルギルス・フミガツスにおける意義について、菌が示す応答について遺伝子発現等を含めて検討を進めている。
本研究ではアスペルギルス・フミガツスが産生する金属イオンキレート化合物(シデロフォア)であるトリアセチルフサリニンCとその生合成遺伝子に注目して研究を進めている。この化合物は感染宿主内での鉄イオン獲得に重要と考えられている。また、本来の生息環境中においても重要な役割を果たしていると考えられる。我々はこれまでに本菌に対して毒性を示す金属イオンとトリアセチルフサリニンCとの関連に注目しながら研究を進めている。これまでは我々が注目していた金属イオン1種に加えて、複数の金属イオンを含む化合物を用いて検討を行った。その結果、新たに1つの金属イオンでもトリアセチルフサリニンCとの関連で興味深い挙動が観察された。また、これとは別にトリアセチルフサリニンC生合成に関わる遺伝子を欠損させたところ、トリアセチルフサリニンCに対して興味深い挙動を示すことも発見している。現在、これら2種の金属イオンとトリアセチルフサリニンCの関係性やアスペルギルス・フミガツスにおける意義について、菌が示す応答について遺伝子発現等を含めて検討を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K07492
- 体系的課題番号 : JP20K07492