MISC

2009年5月

【すぐに役立つ日常整形外科診療に対する私の工夫】 腫瘍 筋肉内血管腫の新しい手術手技

Orthopaedics
  • 堀田 哲夫
  • ,
  • 生越 章
  • ,
  • 有海 明央
  • ,
  • 川島 寛之
  • ,
  • 有泉 高志

22
5
開始ページ
169
終了ページ
174
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)全日本病院出版会

血管腫の血管は壁に筋層を持たない毛細血管の構造のため、剥離操作で損傷されやすく、電気凝固に対しても抵抗性である。したがって、電気メスでは十分な止血が得られず、特に部分切除(腫瘍内切除)では大出血をきたす場合があった。我々は筋肉内血管腫に対する新しい手術手技を開発し、周囲二重結紮法(circumferential parallel ligation method;CPL法)と名づけた。CPL法は切除線の両側を針糸を用いて平行に結紮した後、結紮部の間を切開する方法である。針糸結紮は盲目的に行い、深部に向かって結紮を繰り返すことで、最終的に血管腫を腫瘍内で切除できる。従来法とCPL法で比較したところ、CPL法で有意に出血量が少なく、CPL法では全例輸血を必要としなかった。CPL法は筋肉内血管腫の切除において確実に出血がコントロールできる有用な方法である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0914-8124
  • 医中誌Web ID : 2009211576

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