2017年4月 - 2020年3月
資源としての害獣-その呈味特性とその有効利用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
長野県内で資源として利用されているジビエは増えてきているものの、まだまだ活用の動きは鈍い。本邦の食糧資源確保のため食肉として有効活用するための基礎・応用研究が必要だと考えた。今年度は長野県内で捕獲されるニホンジカ(ホンシュウジカ)のほか、ツキノワグマについてのその呈味特性と食肉としての特性を生かした有効利用方法を検討することでより一層の振興をはかることを目的とした。
ジビエは硬くて臭いといわれるが実際にはどのように臭いかなどを示した論文はない。そこでシカ肉とクマ肉の比較を元に、どのように肉の匂いが異なるかを検討、報告した。シカ肉はヘキサナールやジアセチルなど血なまぐさく、乳臭い成分が多く見受けられた。クマ肉はそれほど血生臭くなく、官能的には青臭いことがわかった。匂い成分はアセトアルデヒドや硫黄関連化合物などの成分が多く含まれていた。
我々はジビエを美味しく食べる方法として通電処理という方法を検討してきた。通電処理を行ったシカ肉を焼いたものは不快な匂いが減少し、軟らかくなる。しかし、調理加工したものや、肉色については検討を行っていない。今回、調理加工方法としてシカ肉の入ったスープを作成した。その嗜好性について官能試験を行った結果、通電処理後の肉は通電しないものに比べ、肉の臭みは有意に弱くなる(p=0.0456)ほか、肉の硬さも有意に軟らかく(p=0.0089)なった。
肉色については通電直後は変化がなかったものの、24時間経過で通電処理後の肉は通電しないものに比べ、肉の色は明るい赤色となった。焼いたものについてはあまり変わらなかった。一方、ミンチにしたものについては通電処理後生についても焼いたものについても差が見られた。以上のことから通電処理を行うことによって、将来的に発色剤を使わなくても食肉の加工方法の一助となる可能性が示唆された。
ジビエは硬くて臭いといわれるが実際にはどのように臭いかなどを示した論文はない。そこでシカ肉とクマ肉の比較を元に、どのように肉の匂いが異なるかを検討、報告した。シカ肉はヘキサナールやジアセチルなど血なまぐさく、乳臭い成分が多く見受けられた。クマ肉はそれほど血生臭くなく、官能的には青臭いことがわかった。匂い成分はアセトアルデヒドや硫黄関連化合物などの成分が多く含まれていた。
我々はジビエを美味しく食べる方法として通電処理という方法を検討してきた。通電処理を行ったシカ肉を焼いたものは不快な匂いが減少し、軟らかくなる。しかし、調理加工したものや、肉色については検討を行っていない。今回、調理加工方法としてシカ肉の入ったスープを作成した。その嗜好性について官能試験を行った結果、通電処理後の肉は通電しないものに比べ、肉の臭みは有意に弱くなる(p=0.0456)ほか、肉の硬さも有意に軟らかく(p=0.0089)なった。
肉色については通電直後は変化がなかったものの、24時間経過で通電処理後の肉は通電しないものに比べ、肉の色は明るい赤色となった。焼いたものについてはあまり変わらなかった。一方、ミンチにしたものについては通電処理後生についても焼いたものについても差が見られた。以上のことから通電処理を行うことによって、将来的に発色剤を使わなくても食肉の加工方法の一助となる可能性が示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K00841
- 体系的課題番号 : JP17K00841
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