2010年4月 - 2015年3月
モンゴル帝国成立史の解明を目指した環境考古学的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
本研究の目的はモンゴル帝国の強大化の背景を明らかにすることである。我々は史料だけに拠らず、遺跡などの考古資料から研究を進めた。王朝の興亡に自然環境変化が関係するという意見は古くからある。モンゴル帝国の勃興についても中世温暖期のピーク以降の寒冷化でチンギス・カンがモンゴル族を統合し、力を蓄えて世界征服へと乗り出したという仮説がある。我々は環境考古学的方法でその仮説を検証した。その結果、チンギス登場時のモンゴルは寒冷・乾燥、征服戦争を遂行していた時期は温暖・湿潤であったと想定できた。我々はモンゴル高原における温暖湿潤傾向による農耕と牧畜の盛行に、モンゴル帝国の拡大の理由が隠されていると考える。
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- 課題番号 : 22242025
- 体系的課題番号 : JP22242025