2021年4月 - 2024年3月
酸・塩基発現原理解明による超強塩基触媒の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
金属酸化物の酸・塩基発現原理解明やその強度制御は触媒化学における大きな課題の1つである.本研究では,我々が見出した「バルクでは酸触媒であるニオブ酸化物の微細化による塩基触媒作用発現」を利用し,原子レベルでサイズ・構造・電子状態を制御した金属酸化物クラスターの酸・塩基性の評価を通じて,酸・塩基発現原理の解明やその強度制御法を開発する.
本年度はまず最初にサイズの異なるニオブ酸化物クラスターの合成に取り組んだ.マイクロウェーブを用いた水熱合成法によりNb6O19,Nb10O28,Nb20O54の精密合成を行った.合成時のpH,合成時間,合成反応後の洗浄により,これらサイズの異なるクラスターを精密合成した.これらクラスターを用いて各クラスターの塩基触媒特性を調べたところ,サイズが大きくなるにつれて塩基強度が減少し,Nb20O54クラスターはpKa = 16以下程度の塩基性をもつことが判った.一方,Nb6O19クラスターはpKa = 26以上の超強塩基性を示すことを確認した.量子科学計算により電子状態を調べたところ,クラスターサイズが大きくなるにつれて表面酸素の電子密度が低下していることがわかった.これまでの研究で表面酸素の電子密度と塩基性に相関があることが知られており,塩基性の低下は表面酸素の電子密度の低下によるもとの推察された.次に,金属酸化物クラスターの耐水性について調べた.耐水性評価はNb6O19でしか行えていないが,100等量以上の水が存在していも塩基性の低下がみられなかったことから,Nb6O19の幾何構造もしくは電子状態に耐水性の秘密があると考えている.
本年度はまず最初にサイズの異なるニオブ酸化物クラスターの合成に取り組んだ.マイクロウェーブを用いた水熱合成法によりNb6O19,Nb10O28,Nb20O54の精密合成を行った.合成時のpH,合成時間,合成反応後の洗浄により,これらサイズの異なるクラスターを精密合成した.これらクラスターを用いて各クラスターの塩基触媒特性を調べたところ,サイズが大きくなるにつれて塩基強度が減少し,Nb20O54クラスターはpKa = 16以下程度の塩基性をもつことが判った.一方,Nb6O19クラスターはpKa = 26以上の超強塩基性を示すことを確認した.量子科学計算により電子状態を調べたところ,クラスターサイズが大きくなるにつれて表面酸素の電子密度が低下していることがわかった.これまでの研究で表面酸素の電子密度と塩基性に相関があることが知られており,塩基性の低下は表面酸素の電子密度の低下によるもとの推察された.次に,金属酸化物クラスターの耐水性について調べた.耐水性評価はNb6O19でしか行えていないが,100等量以上の水が存在していも塩基性の低下がみられなかったことから,Nb6O19の幾何構造もしくは電子状態に耐水性の秘密があると考えている.
- ID情報
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- 課題番号 : 21H01718
- 体系的課題番号 : JP21H01718