2020年4月 - 2024年3月
「原本史料情報解析」の方法による中世西国武家文書の研究と展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
① 2020年度に引き続き、2021年度も、コロナ禍のため活動が大きく制限されたが、まん延防止措置等が発出されていない地域・期間を勘案して、資料館・文書館等の公的機関を中心に、原本史料調査を実施した。山口県文書館の熊谷文書・山根文書・長松文書・兄部文書・国造千家所持之内古書類写・御書御判物控、鹿児島県歴史・美術センター黎明館の永吉島津文書・岡元文書、尚古集成館の比志島文書・山田文書、鳥取県立博物館の加須屋文書・名和神社文書・宮本文書、そのほか熊本県多良木町の多良木宗像文書、同県水俣市の深水文書、鹿児島県霧島市の石関文書・島津義久朱印状、京都府京丹後市の小倉文書などの西国武家関係文書について、調査・撮影を実施した。
② 史料編纂所所蔵「応仁大乱記」、「入来院家文書」の修理を実施した。「入来院家文書」は昨年度からの継続で、今年度は第18巻の修理を完了した。修理の過程では、原本史料情報についての調査・分析を実施し、紙の厚み・密度・繊維の質・簀の目・糸目等の情報を記録した。
③ 「中川(赤穴)文書」についての調査報告書を作成した(東京大学史料編纂所研究成果報告2021-4)。赤穴氏は、鎌倉~南北朝期に石見・出雲に進出した佐波氏の一族で、出雲国赤穴荘を領したところから赤穴氏を称した。戦国期には尼子氏に仕え、その後毛利家家臣となって、慶長4(1599)年に中川氏に改姓し、幕末にいたる。史料編纂所が中川四郎氏から購入した文書150点と、それ以前に流出して個人蔵となった分や、原本が伝わらず『萩藩閥閲録』のみにみられるものなども併せて画像と翻刻を掲載した。巻末には史料編纂所所蔵分の紙質情報一覧表を付している。
④ 史料編纂所所蔵『島津家文書』のなかの「薩藩勝景百図」(薩摩藩内の名勝・旧跡を描く5巻の絵画史料)の解説テキストである「薩藩勝景百図考」の翻刻を進めている。
② 史料編纂所所蔵「応仁大乱記」、「入来院家文書」の修理を実施した。「入来院家文書」は昨年度からの継続で、今年度は第18巻の修理を完了した。修理の過程では、原本史料情報についての調査・分析を実施し、紙の厚み・密度・繊維の質・簀の目・糸目等の情報を記録した。
③ 「中川(赤穴)文書」についての調査報告書を作成した(東京大学史料編纂所研究成果報告2021-4)。赤穴氏は、鎌倉~南北朝期に石見・出雲に進出した佐波氏の一族で、出雲国赤穴荘を領したところから赤穴氏を称した。戦国期には尼子氏に仕え、その後毛利家家臣となって、慶長4(1599)年に中川氏に改姓し、幕末にいたる。史料編纂所が中川四郎氏から購入した文書150点と、それ以前に流出して個人蔵となった分や、原本が伝わらず『萩藩閥閲録』のみにみられるものなども併せて画像と翻刻を掲載した。巻末には史料編纂所所蔵分の紙質情報一覧表を付している。
④ 史料編纂所所蔵『島津家文書』のなかの「薩藩勝景百図」(薩摩藩内の名勝・旧跡を描く5巻の絵画史料)の解説テキストである「薩藩勝景百図考」の翻刻を進めている。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20H01307
- 体系的課題番号 : JP20H01307
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
東京大学史料編纂所研究紀要 32(32) 1-22 2022年3月 査読有り筆頭著者責任著者
MISC
1-
ALL REVIEWS 2023年4月21日 招待有り筆頭著者
書籍等出版物
1-
朝日新聞出版 2020年12月 (ISBN: 9784022620392)
講演・口頭発表等
4-
日本文化財科学会第40回記念大会 2023年10月22日 日本文化財科学会
-
Taiwan Plus 2023 2023年9月23日 招待有り
-
第33回日本資料専門家欧州協会年次大会 2023年9月15日 日本資料専門家欧州協会
-
近江貝塚研究会第336回例会 2021年11月20日 近江貝塚研究会