共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

「原本史料情報解析」の方法による中世西国武家文書の研究と展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01307
体系的課題番号
JP20H01307
配分額
(総額)
16,250,000円
(直接経費)
12,500,000円
(間接経費)
3,750,000円

① 2020年度に引き続き、2021年度も、コロナ禍のため活動が大きく制限されたが、まん延防止措置等が発出されていない地域・期間を勘案して、資料館・文書館等の公的機関を中心に、原本史料調査を実施した。山口県文書館の熊谷文書・山根文書・長松文書・兄部文書・国造千家所持之内古書類写・御書御判物控、鹿児島県歴史・美術センター黎明館の永吉島津文書・岡元文書、尚古集成館の比志島文書・山田文書、鳥取県立博物館の加須屋文書・名和神社文書・宮本文書、そのほか熊本県多良木町の多良木宗像文書、同県水俣市の深水文書、鹿児島県霧島市の石関文書・島津義久朱印状、京都府京丹後市の小倉文書などの西国武家関係文書について、調査・撮影を実施した。
② 史料編纂所所蔵「応仁大乱記」、「入来院家文書」の修理を実施した。「入来院家文書」は昨年度からの継続で、今年度は第18巻の修理を完了した。修理の過程では、原本史料情報についての調査・分析を実施し、紙の厚み・密度・繊維の質・簀の目・糸目等の情報を記録した。
③ 「中川(赤穴)文書」についての調査報告書を作成した(東京大学史料編纂所研究成果報告2021-4)。赤穴氏は、鎌倉~南北朝期に石見・出雲に進出した佐波氏の一族で、出雲国赤穴荘を領したところから赤穴氏を称した。戦国期には尼子氏に仕え、その後毛利家家臣となって、慶長4(1599)年に中川氏に改姓し、幕末にいたる。史料編纂所が中川四郎氏から購入した文書150点と、それ以前に流出して個人蔵となった分や、原本が伝わらず『萩藩閥閲録』のみにみられるものなども併せて画像と翻刻を掲載した。巻末には史料編纂所所蔵分の紙質情報一覧表を付している。
④ 史料編纂所所蔵『島津家文書』のなかの「薩藩勝景百図」(薩摩藩内の名勝・旧跡を描く5巻の絵画史料)の解説テキストである「薩藩勝景百図考」の翻刻を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01307
ID情報
  • 課題番号 : 20H01307
  • 体系的課題番号 : JP20H01307

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  1

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  4