2004年 - 2006年
衝撃と放射線に強い高機能材料の創製
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(A)) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 16206097
- 体系的課題番号
- JP16206097
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 50,180,000円
- (直接経費)
- 38,600,000円
- (間接経費)
- 11,580,000円
- 資金種別
- 競争的資金
核破砕場と宇宙を対象として、耐衝撃特性と耐放射線損傷の強い材料の開発研究を行った。主要な結果は以下の通りである。(1)核破砕中性子源の固体ターゲット材用に炭化チタン分散型の高靭性タングステンをメカニカルアロイング法により開発し、タングステン材料では世界で初めて超塑性を実現できた。(2)ターゲット等の構造材として重要なステンレス鋼について、耐放射線特性を向上させるため、加工熱処理により多数の焼鈍双晶を導入することによって低エネルギー構造粒界(対応粒界)を高頻度かつ均一分散させた粒界制御したステンレス鋼を創出した。(3)タングステンの腐食と放射化の問題を解決すべく、イオンプレーティングでのPVD法および2重ビーム法、電気化学法によってタングステン板の周囲に安定してCrNの薄膜層を形成できた。(4)水銀ターゲット容器壁やビーム窓のピッティング対策として、高速度ビデオによってバブル形成の機構を明らかにするとともに、(5)ステンレス鋼の表面改質効果を調べ、とりわけ窒化および侵炭法の複合的な表面処理によって、ピッテング損傷の進展を一桁送らせることができた。(6)宇宙材料として、アルミニウム-チタン系の高靭性複合セラミックスを開発した。(7)宇宙塵が衝突した際の亀裂伝播を防止する機能を付与したニオブ-アルミ系の合金を開発した。上記の材料について機械試験や腐食試験を行い、所定の機能を持っていることを評価した。(8)MW級の固体ターゲット用にHIP法(熱間静水圧加圧法)によって開発したタンタル被覆のタングステン薄板を高温からの急冷試験を行い、破損が生じず、冷却水の喪失事故時に対応可能なことが確認できた。(9)陽電子消滅法により、粒界制御の工程がステンレス鋼に損傷を与えない事、材料試験炉での中性子照射損傷効果を明確にした。(10)超高圧電子顕微鏡の電子線および陽子ビームを用いた照射シミューション実験にて、粒界制御材が普通材に比べて放射線損傷に強そうだというデータ、さらにニオブ-アルミ系の合金が期待した中間金属を形成し、亀裂伝播の防止機能を持っていそうだという結果を得た。(11)さらに材料の放射線損傷試験として、スイスの核破砕中性子源施設に送って放射した材料の照射後試験を行った。その結果、日本のステンレス鋼JPCAが、3dpa以上の照射でも伸び特性を持っている事、生成ガスの保持量を明らかにできた。以上で、損傷研究の基礎的な手法が得られた。今後、損傷データの一層の採取と理論的研究を通じてさらなる材料開発研究に展開したい。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 16206097
- 体系的課題番号 : JP16206097