2013年8月
M.ヴェーバー『古代ユダヤ教』における政治教育共同体の認識とその史的意義ー教育の史的起源としての「魂への配慮」ー
宮崎大学教育文化学部紀要 教育科学
- 巻
- 29
- 号
- 29
- 開始ページ
- 55
- 終了ページ
- 73
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 宮崎大学
本稿は、M.ヴェーバーの比較宗教社会学研究の中核に位置づけられる『古代ユダヤ教』をとり上げ、その社会史的実証記述のなかに、共助を理念とする政治教育共同体に関する事実が、「高度に合理的な、世俗内的行為」の事実の一つとして認識されていたこと、その際、「罪なき苦難」を不断の試練としてうけとめて人間形成するという行為が「魂への配慮」の実践として、そして教育の史的起源としてヴェーバーによって実証的に認識されていることを、本稿では跡づけた。その上で、この埋もれた教育社会史的認識が、ヴェーバーが生きている同時代の政治教育共同体認識との関連で特徴的に提示されていたことを解明した。この教育社会史的認識は、筆者のマックス・ヴェーバー政治教育思想研究では、「合理主義」の史的源流にかかわるかれ自身の学問的認識とそれと関連する教育認識を示している点で根源的な重要性を含んでいる。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1345-4048
- CiNii Articles ID : 110009613827
- CiNii Books ID : AA11403434