安東 潔
基本情報
- 所属
- 神経行動解析リンクス (数行下の「外部リンク」 url をご参照ください)
- 学位
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医学博士(1978年11月 群馬大学医学部)文学博士(心理学)(1980年9月 慶應義塾大学大学院博士課程)
- 連絡先
- behavior-linksjcom.zaq.ne.jp
- researchmap会員ID
- 1000145687
- 外部リンク
一貫して,神経行動解析研究を実施してきました。
霊長類 ( nonhuman primates ) ならびにげっ歯類 ( rodents ) を用いた神経行動解析 ( neurobehavioral analysis ) あるいは脳科学 ( neuroscience ) に関する実験的研究を実質的な意味において永年継続できたのは,下記の指導者ならびに,それぞれの研究室で親しく接していただいた多くの方々のおかげと考えております。
慶応義塾大学では,学部ならびに大学院を通して,印東太郎教授から計量心理学 ( psychometrics ) を学びました。ここでは,心理現象のうちのある側面は,物理学的測定法応用による計測が可能がであることを学習しました。そして,このことが,現在の前臨床医学研究 ( preclinical study ) における定量的測定評価法構築に結びつけられたと考えています。また,同大学の小川隆教授には,Skinner 学派のオペラント行動 ( operant behavior ) をベースとした実験行動分析学 (the experimental analysisi of behavior ) を学び,以後の実験動物における行動解析の研究基盤としてきました。また,主観主義の渦巻く当時の心理学の世界においても,その後においても脳機能の統合的発現としての行動を,記述的,客観的,定量的かつ科学的にとらえる方法論として,B. F., Skinner の行動主義思想に大きな薫陶を受けて,それを基盤とした研究を継続実践してきました。
財団法人 実験動物中央研究所 付属前臨床医学研究所では,薬物依存に関する世界的権威であった柳田知司博士から薬理学,薬物依存学,精神薬理学,サル実験技術などを習得しました。ここでの専門教育の基礎無しには,現在まで研究を継続することはできななかったと考えております。また,群馬大学医学部 田所作太郎教授には,行動薬理学を学び,当時の薬理学では新しい領域であったこの分野のおかげで,日本薬理学会や日本神経精神薬理学会で,研究活動を受け入れていただき,さらに研究を発展させることが出来ました。
米国シカゴ大学医学部精神科では,行動薬理学の先駆者 Charls R. Shcuster 教授の研究室で神経行動薬理学を学びました。ここでは,ドーパミン神経と行動との深い関わりについて習得する機会を得て,これが現在のパーキンソン病に関する前臨床研究に結びつけられたと考えています。さらに,シカゴ大の研究室では,様々な専門分野の研究者たちが,それぞれの研究について激しい議論をし,良い点は賞賛しつつも,問題点については容赦のない手厳しい批判を行なっておりました。このような真剣勝負による切磋琢磨が,お互いの研究水準を高めてゆく上で重要であるという認識を強めました。
その後,公益財団法人 実験動物中央研究所では,野村達次博士から実験動物学とりわけヒト疾患モデル動物の考え方を学びました。そして,実験動物学という分野が,全ての in vivo 実験医学研究の根幹にある学問であることを何十年もの研究生活を経て,やっと認識するに至りました。
放射線医学総合研究所(現:量子科学技術研究開発機構)では,須原哲也博士に脳イメージングと行動との対応に関する研究を実施する機会を与えていただきました。ここから,macro neuroscience 視点による,行動発現の背景にある脳の macro imaging 解析という自分の本来的興味にもっとも合致した視点を研究に取り込み,深めることができたように感じております。そもそもの興味は,行動であり,それはとりもなおさず,もっとも macro な生体の機能側面です。そこで,この macro な行動を,macro な鳥瞰的脳イメージングとのかかわりでとらえる視点は,自分にとって極めて興味深い事柄でした。
現在,これまで長年にわたり実施してきたアカゲザルやラット・マウスを利用した行動薬理学ならびに脳科学に関する研究での経験をいかし,小型霊長類コモンマーモセットの neuroscience 研究における有用性について研究しております。そこで,マーモセットは,神経精神疾患とりわけパーキンソン病に関する前臨床研究において,極めて重要な実験動物としての位置付けにあると考えております。
2020年からは,神経行動解析リンクス ( The Neurobehavioral Analysis Links ) を主宰し,これまでのささやかな,しかし自分なりの研究と学問の集積を振り返りつつ,その総括について,ネット上で公表しつつあります。
神経行動解析リンクス url:https://sites.google.com/view/behavior100/
神経行動解析研究 ( neurobehavioral analysis ) あるいは神経科学 ( neuroscience ) について,お問い合わせ,コメントあるいはご批判などをいただければ,よろこんで対応させていただきます。
神経行動解析リンクス 安東潔宛 メールアドレス:behavior-links@jcom.zaq.ne.jp
経歴
1-
2020年4月 - 現在
学歴
2-
1962年 - 1967年
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1958年 - 1962年
論文
65-
Behavioural pharmacology 31(1) 45-60 2020年2月 査読有り筆頭著者責任著者
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オベリスク 23(1) 14-22 2018年1月 招待有り筆頭著者
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NEUROSCIENCE 300 585-592 2015年8月 査読有り
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Pharmacology Biochemistry and Behavior 127 62-69 2014年 査読有り筆頭著者責任著者
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PLOS ONE 7(10) e46371 2012年10月 査読有り筆頭著者責任著者
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実験医学 新しいステージに入った医科学研究と疾患解明 30(2) 121-127 2012年 招待有り筆頭著者責任著者
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JOURNAL OF PHARMACOLOGICAL SCIENCES 109 89P-89P 2009年 筆頭著者責任著者
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The Journal of neuroscience : the official journal of the Society for Neuroscience 28(47) 12255-67 2008年11月19日 査読有り
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認知神経科学 9(1) 45-48 2008年 招待有り筆頭著者責任著者
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マーモセット MR 脳アトラス(岡野栄之/野村達次編集) 82-86 2008年 招待有り筆頭著者責任著者
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PSYCHOPHARMACOLOGY 195(4) 509-516 2008年1月 査読有り筆頭著者責任著者
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日本神経精神薬理学雑誌 27(5-6) 261-261 2007年11月 筆頭著者責任著者
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BIOLOGICAL PSYCHIATRY 61(11) 1252-1259 2007年6月 査読有り
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SYNAPSE 61(4) 205-215 2007年4月 査読有り
MISC
24-
日本磁気共鳴医学会雑誌 34(1) 18-22 2014年2月15日
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日本臨床精神神経薬理学会・日本神経精神薬理学会合同年会プログラム・抄録集 20th-40th 137 2010年
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Functional neurosurgery : proceedings of the annual meeting of the Japan Society for Stereotactic and Functional Neurosurgery 45(1) 6-7 2006年6月5日
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日本薬物動態学会年会講演要旨集 21 324-324 2006年
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NEUROPROTECTIVE ACTION OF SINGLE DOSE DEPRENYL AGAINST MPTP-INDUCED PARKINSONISM IN COMMON MARMOSETS日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 25(6) 286-286 2005年12月25日
-
Innervision 20(7) 14-15 2005年5月25日
-
日本神経精神薬理学雑誌 24(6) 341 2004年12月25日
-
Innervision 19(11) 78-79 2004年11月
-
Japanese Journal of Neuropsychopharmacology 24(2) 55-59 2004年4月
-
日本神経精神薬理学雑誌 23(6) 246 2003年12月25日
-
核医学 40(3) 316-317 2003年8月20日
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JOURNAL OF PHARMACOLOGICAL SCIENCES 91 93P-93P 2003年
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日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 19(6) 348-348 1999年12月25日
-
日本薬理学雑誌 98(5) 389-397 1991年
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JAPANESE JOURNAL OF PHARMACOLOGY 40 P143-P143 1986年
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JAPANESE JOURNAL OF PHARMACOLOGY 39 P30-P30 1985年
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JAPANESE JOURNAL OF PHARMACOLOGY 39 P149-P149 1985年
講演・口頭発表等
33-
第6回日本マーモセット研究会大会 2016年12月13日 招待有り
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The Society for Neuroscience 2014, Washington DC. 19 November 2014 2014年11月19日
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The Society for Neuroscience 2013, San Diego. 2013年11月11日
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第43回日本神経精神薬理学会学術年会, 宜野湾市. 2013年10月26日
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2013 KALAS International Symposium, Jeju island. 2013年8月22日 招待有り
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Seoul National University Hospital, Seoul. 2012年6月 招待有り
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Workshop held by Korean Food and Drug Administration, National Institute of Food and Drug Service Korea, Seoul. 2012年6月 招待有り
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The Society for Neuroscience 2011, Wshingtong DC. 2011年11月
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第41 回日本神経精神薬理学会学術年会, 東京. 2011年10月
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第4回in vivo実験医学シンポジウム, In vivo実験医学今後の展望東京. 2011年2月 招待有り
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The Society for Neuroscience 2010, San Diego. 2010年11月
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第40回日本神経精神薬理学会学術年, 仙台. 2010年9月
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The Society for Neuroscience 2009, Chicago. 2009年10月
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第39回日本神経精神薬理学会学術年会,京都市. 2009年9月
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SORSTシンポジウム「遺伝子改変マーモセット研究の新展開」,独立行政法人 科学技術振興機構,東京. 2009年4月 招待有り
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第82回日本薬理学会学術年会, 横浜. 2009年3月
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The Society for Neuroscience 2008, Washington DC. 2008年11月
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第38回日本神経精神薬理学会学術, 東京. 2008年10月
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脳科学研究戦略推進プログラム課題C,京都. 2008年10月 招待有り
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ゲノム解析からIn vivo 解析への回帰, つくば市. 2007年11月 招待有り
所属学協会
3共同研究・競争的資金等の研究課題
3-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 総合研究(A) 1987年 - 1988年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(B) 1985年 - 1987年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(C) 1985年 - 1986年
その他
1-
1982年 - 2012年これまでに多数の製薬企業と,下記の課題などによる共同研究および受託試験業務を実施。 1. マカク属サルおよびコモンマーモセットを用いた,抗パーキンソン病薬の前臨床評価試験。 2. アカゲザルおよびラット・マウスを用いた医薬品の行動薬理試験。 3. アカゲザルおよびラットを用いた医薬品の薬物依存性試験。