尾西 康充
オニシ ヤスミツ (Yasumitsu Onishi)
更新日: 04/05
基本情報
- 所属
- 三重大学 人文学部 文化学科 教授
- 学位
-
博士(学術)(広島大学)教育学修士(広島大学)
- J-GLOBAL ID
- 200901040641291854
- researchmap会員ID
- 1000188223
- 外部リンク
フランクフルト・アム・マインのボッケンハイマー通りは、春になると街路樹のマロニエが白い花を咲かせる。この通りに沿って旧オペラ座から歩いて数分の距離に老舗のカフェ・ラウマーがある。元々あった場所から移転されたものの、テオドール・アドルノをはじめ、フランクフルト社会科学研究所の学究が集った場所とされる。カフェとクーへンの濃厚な味わいから、この地につちかわれてきた芸術と学問の歴史を感じることができる。フランクフルト大学の敷地内には、ユダヤ人迫害から逃れ、ファシズムを批判する論考を遺した哲学者の偉業を顕彰するアドルノ広場がある。そこには現代ドイツの趣向を凝らした記念碑-木製の椅子と書斎机。机のうえにはスタンドライトとメトロノーム、原稿用紙が置かれ、今さっきまで哲学者がそこで執筆をしていたかのような存在感を与える。
フランクフルトの目抜き通りであるツァイルを東に歩いた先には、フランクフルト地方検事局がある。その2階には、白と黒の幾何学模様の壁紙が印象的なバウアー・ザールがある。その部屋を執務室として使っていたのは、戦後ドイツ国内ではじめてアウシュヴィッツに関する裁判(1963-65)を主任検事として指揮したフリッツ・バウアーであった。
2016年には、「ほんの氷山の一角」というタイトルの付いた、重さ4・5トンのモニュメントがフランクフルト上級地方裁判所に設置された(ツァイル42番地)。ブロンズのプレート2枚には、「あなたは知らなければなりません。氷山のあることを。そしてわたし達は小さな部分だけを見て、大きな部分は見ていないことを」と記されている。これは1964年の討論集会でバウアーが語った言葉で、当時テレビ放映されて、大きな反響を呼んだ。
このプレートには「アウシュヴィッツ強制収容所に関与していたドイツ人8000名の内、訴追できたのは40名」とも記されている。ドイツ司法がこれまで明らかにできたのは、ナチスによる組織的な暴力の一部にとどまっている。ショアーという戦争犯罪に対してドイツ社会が正視するきっかけをもたらした、バウアーの功績は測り知れない。
支配と抑圧の社会構造を解き明かすことは難しい。なぜなら支配された者は他の者を支配しているし、抑圧する者は他の者に抑圧されているからである。しかし、その構造を無批判に容認することはできない。目下私は、これら矛盾の核心を語ろうとする文学作品を対象として研究を進めている。
フランクフルトの目抜き通りであるツァイルを東に歩いた先には、フランクフルト地方検事局がある。その2階には、白と黒の幾何学模様の壁紙が印象的なバウアー・ザールがある。その部屋を執務室として使っていたのは、戦後ドイツ国内ではじめてアウシュヴィッツに関する裁判(1963-65)を主任検事として指揮したフリッツ・バウアーであった。
2016年には、「ほんの氷山の一角」というタイトルの付いた、重さ4・5トンのモニュメントがフランクフルト上級地方裁判所に設置された(ツァイル42番地)。ブロンズのプレート2枚には、「あなたは知らなければなりません。氷山のあることを。そしてわたし達は小さな部分だけを見て、大きな部分は見ていないことを」と記されている。これは1964年の討論集会でバウアーが語った言葉で、当時テレビ放映されて、大きな反響を呼んだ。
このプレートには「アウシュヴィッツ強制収容所に関与していたドイツ人8000名の内、訴追できたのは40名」とも記されている。ドイツ司法がこれまで明らかにできたのは、ナチスによる組織的な暴力の一部にとどまっている。ショアーという戦争犯罪に対してドイツ社会が正視するきっかけをもたらした、バウアーの功績は測り知れない。
支配と抑圧の社会構造を解き明かすことは難しい。なぜなら支配された者は他の者を支配しているし、抑圧する者は他の者に抑圧されているからである。しかし、その構造を無批判に容認することはできない。目下私は、これら矛盾の核心を語ろうとする文学作品を対象として研究を進めている。
研究キーワード
4研究分野
2経歴
14-
2023年4月 - 現在
-
2007年4月 - 現在
-
2015年4月 - 2023年3月
-
2014年4月 - 2015年3月
-
2012年4月 - 2014年3月
-
2013年9月 - 2013年12月
-
2008年4月 - 2010年3月
-
2009年10月 - 2009年12月
-
1999年4月 - 2007年3月
-
2003年10月 - 2004年7月
-
1997年4月 - 1999年3月
-
1995年4月 - 1997年3月
-
1995年 - 1997年
学歴
5-
1992年4月 - 1995年3月
-
- 1995年
-
1990年4月 - 1992年3月
-
1986年4月 - 1990年3月
-
- 1990年
委員歴
8-
2022年4月 - 現在
-
2014年4月 - 現在
-
2005年4月 - 2019年3月
-
2010年4月 - 2017年3月
-
2014年4月 - 2016年3月
-
2009年4月 - 2011年3月
-
2009年4月 - 2011年3月
-
2007年4月 - 2009年3月
論文
96-
週刊読者人 (3521) 13-13 2024年1月5日
-
週刊読書人 (3491) 6-6 2023年6月2日
-
週刊読者人 (3460) 5-5 2022年10月14日
-
図書新聞 (3555) 3-3 2022年8月13日
-
日中文化交流 (913) 1-1 2022年4月1日
-
週刊読書人 (3411) 2021年10月
-
椎名麟三 自由の彼方で (16) 78-84 2021年4月
-
週刊読書人 (3334) 4-4 2020年4月3日
-
週刊読書人 (3312) 4-4 2019年10月
-
週刊読書人 (3281) 7-7 2019年3月
-
週刊読書人 (3274) 6-6 2019年1月
-
東北亜外語研究 (2018(4)) 27-33 2018年12月
-
週刊読書人 (3236) 4-4 2018年4月
-
日中文化交流 (863) 7-7 2018年2月
-
図書新聞 (3314) 5-5 2017年8月
-
日本研究 (2) 33-40 2017年7月
-
週刊読書人 (3195) 5-5 2017年6月
-
週刊読書人 (3160) 5-5 2016年10月
-
週刊読書人 (3139) 5-5 2016年5月
-
日本侵華史研究 (2016(1)) 125-134 2016年4月
MISC
175-
近代文学試論 61 49-60 2023年12月25日
-
昭和文学研究 = Showa literary studies / 昭和文学会編集委員会 編 87 274-276 2023年9月
-
三重大学日本語学文学 / 三重大学日本語学文学会 編 (34) 11-20 2023年6月
-
三重大学日本語学文学 / 三重大学日本語学文学会 編 (34) 21-33 2023年6月
-
近代文学試論 / 広島大学近代文学研究会 編 (60) 49-60 2022年12月
-
戦前大阪外語社研研究会会報 (4) 2-18 2022年10月
-
三重大学日本語学文学 / 三重大学日本語学文学会 編 (33) 1-15 2022年6月
-
民主文学 (681) 132-137 2022年6月
-
民主文学 (680) 126-131 2022年5月
-
近代文学試論 (59) 47-55 2021年12月
-
三重大学日本語学文学 (32) 11-25 2021年6月
-
国文学攷 (249) 15-25 2021年3月
-
社会文学 (54) 206-208 2021年
-
近代文学試論 (58) 29-40 2020年12月
-
民主文学 (660) 101-107 2020年9月
-
三重大学日本語学文学 (31) 37-50 2020年6月
-
国文学攷 (245) 1-12 2020年3月
-
近代文学試論 (57) 13-20 2019年12月
-
三重大学日本語学文学 (30) 39-49 2019年6月
-
三重大学日本語学文学 (30) 21-37 2019年6月
書籍等出版物
51-
日本キリスト教団 2024年3月 (ISBN: 9784818411586)
-
藤原書店 2023年11月 (ISBN: 9784865784060)
-
学研 2023年8月31日 (ISBN: 9784052057526)
-
翰林書房 2020年10月
-
大月書店 2019年11月
-
ぎょうせい 2018年3月
-
HUMANITAS 2016年12月 (ISBN: 9788577323258)
-
風媒社 2016年2月
-
2015年3月
-
八木書店 2015年2月
-
学習の友社 2014年11月 (ISBN: 9784761706944)
-
外語教学与研究出版社 2014年8月
-
笠間書院 2014年 (ISBN: 9784305707321)
-
大月書店 2014年 (ISBN: 9784272612314)
-
中国社会科学出版社 2013年12月
-
和泉書院 2013年5月
-
小樽商科大学出版会 2013年3月 (ISBN: 9784877384166)
-
大月書店 2013年 (ISBN: 9784272612284)
-
和泉書院 2012年2月 (ISBN: 9784757606470)
-
岩波書店 2012年 (ISBN: 9784000220699)
講演・口頭発表等
99-
日本キリスト教文学会冬季研究集会 2023年12月9日
-
すずか9条の会 2023年5月14日
-
大阪多喜二祭 2023年2月26日 招待有り
-
戦前大阪外語社研研究会会報 2022年8月30日 招待有り
-
第4回愛知多喜二祭 2022年3月6日 招待有り
-
津9条の会・日本科学者会議三重支部 2021年11月6日
-
2020年2月16日
-
日本民主主義文学会 2019年9月28日
-
日本民主主義文学会 2019年9月14日
-
三重民教連2019春の教育集会 2019年3月31日
-
第31回杉並・中野・渋谷多喜二祭 2019年3月3日
-
第18回神奈川七沢多喜二祭 2019年2月23日
-
第1回愛知多喜二祭 2019年2月17日
-
第6回三重大学・皇學館大学合同シンポジウム 2018年12月16日
-
華東師範大学外国語学院日本語学科研究集会 2018年6月13日
-
日本民主主義文学会 2018年5月27日
-
日本民主主義文学会 2018年1月13日
-
日本民主主義文学会 2017年11月25日
-
日本民主主義文学会 2017年10月18日
-
ハイデルベルク大学日本研究所公開講演会 2017年6月19日
所属学協会
5共同研究・競争的資金等の研究課題
12-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2022年4月 - 2025年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2015年4月 - 2018年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2008年 - 2012年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B) 2004年 - 2006年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A) 2000年 - 2001年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A) 1998年 - 1999年
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 1997年 - 1999年
メディア報道
4-
北海道新聞 読書ナビ 2020年2月23日 新聞・雑誌
-
週刊読書人 2020年2月8日 新聞・雑誌
-
毎日新聞社 毎日新聞 2020年2月3日 新聞・雑誌
-
図書新聞社 図書新聞 2020年2月1日 新聞・雑誌