日本社会の超高齢化に伴い，認知症の高齢者が増加しており，その症状の改善や発症抑制の策が求められている．現在，認知症の診療には介護・薬物療法・精神的ケアなどが用いられている．特に，精神的ケアには回想療法，リアリティオリエンテーション，音楽療法，アニマルセラピーなどがある．アニマルセラピーの代用としてペットロボットによるセラピーが注目され，現在，猫型や犬型，アザラシ型などのペットロボットの研究が盛んに行われている．しかし，現在のペットロボットの問題点として長期的に親しみや楽しみ，安らぎを与えることができず，その解決策が求められている．本研究では，アニマルセラピーに見られる問題点を踏まえ，認知症の症状緩和や抑制に効果があるとされる「回想療法」への活用も可能なペットロボットを提案し、その形状や機能を検討する。研究の統括および評価を担当。