共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2006年

「表示的モジュール性」に基づいた英語の統語的不規則性に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16720116
体系的課題番号
JP16720116
配分額
(総額)
2,800,000円
(直接経費)
2,800,000円

本研究の目的は、「表示的モジュール性」に基づいて,統語論中心主義の「移動」よりは「対応規則」の方が、英語の例外的構文の特性を適切に記述できることを明らかにすることである。本年度の印刷化された主な研究成果として2つある。
1つ目の成果は、English Linguisticsに掲載された"A Note on the Two-Sided Behavior of N after N,"である。本論文は,表示的もモジュール性の観点から、英語の周辺的現象であるN after N構文について、統語的性質と意味的性質を類似的表現である弱量化名詞句や裸複数名詞と比較し,インターフェイスの外側(概念構造)に還元できる意味的な一般性を示すことを明らかにした。具体的には,N after Nは統語的に凍結しているものの、意味的には裸複数名詞と同じ振る舞いをすることを論じた。
2つ目は,論文集『言語科学の真髄を求めて 中島平三教授還暦記念論文集』に掲載された論文「「Nに次ぐN」構文の統語と意味について-N after N構文との比較を通して」である。本論文は,日本語の「Nに次ぐN」構文の意味的・統語的性質について,英語のN after N構文と比較しながら考察した。主に次の2点を明らかにした。(i)「Nに次ぐN」が意味的にはN after Nと同様に指示性の欠いた不定名詞句である。(ii)「Nに次ぐN」は統語的には関係節のような連体修飾構造をしているものの,意味的には2つの名詞が並列した等位構造を表している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16720116
ID情報
  • 課題番号 : 16720116
  • 体系的課題番号 : JP16720116