共同研究・競争的資金等の研究課題

納期の設定と管理に関する研究


配分額
(総額)
600,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

(1)納期の設定および管理に関する実状調査:アンケート・面接調査では約80社を対象に調査を行った。調査の狙いは、主として、1)企業における納期の位置付けと実状、2)生産管理、ことにスケジューリングにおける納期の役割、3)納期設定のメカニズムと問題点、の三点の解明であり、その結果、【i】)顧客の短納期の需要に応えるために受注生産と見込生産を併用している企業が多い、【ii】)営業部門と生産部門とでは納期に対する考え方に大きな隔たりがある、【iii】)企業によってバラツキがあるが、平均的に約2割の注文に納期遅れが発生している、【iv】)見積納期は予め算定された標準納期に基づいて決定する企業が多い、【v】)見積納期が顧客の要求納期を満足できない場合にも無理して受注し外注等の臨時的能力を活用して顧客の要求を満たしている企業が多い、【vi】)契約時点に納期遅れのペナルティーを明示するケースは増えているがペナルティーが実際課せられることは少ない、等が明らかとなった。(2)納期に関する経営工学的研究のサーベイ:納期に関連する研究を1)納期付きスケジューリング問題、2)納期設定問題、3)受注選択問題、の三種に分類し、今までの研究の動向を明らかにし、調査の結果明らかになった現実の問題解決への既存の研究結果の生かし方を考察した。(3)一機械総納期遅れ最小化スケジューリング問題の最適解法の計算実験とヒューリスティック解法の精度評価:実際問題にスケジューリング・アルゴリズムを適用する場合、現実的には、最適解法を適用することは少なく、ヒューリスティック解法を用いることが多い。本研究では、一機械総納期遅れ最小化問題に対する主要なヒューリスティック解法の精度が問題規模(ジョブ数)に応じてどのように変化するかを評価した。乱数を用いて人工的に発生させた問題に対してはWilkerson-Irwin法の精度が問題規模に依存しないことが明らかとなった