2017年4月 - 2021年3月
特定行為研修修了看護師がチーム医療の中で機能する組織体制づくりの支援に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
看護師に係る特定行為研修制度では就労しつつ受講可能となる研修方法が認められ,今後の在宅医療や高度医療を支える看護師を計画的に養成することが求められている。加えて,研修で育成される看護師の能力として,特定行為の実施だけでなく,在宅医療や高度医療の現場にて医師などの他職種と協働及び調整を行い,質の高いヘルスケアサービスの提供に貢献できることも含まれる。そのため,指定研修機関での研修のみならず,受講生の所属施設での継続学習が必須であり,かつ修了後の実施に向けた支援も必要である。そこで,本研究では,就労しつつ特定行為研修を受講する看護師が,研修修了後に受講内容を活用し,所属施設のチーム医療・ケアの中で機能していくために必要な組織体制を明らかにし,指定研修機関としての受講生および受講生の所属施設への支援内容及び方法を検討することを目的としている。今年度は,A研修センターの修了生を対象に横断的に調査し,修了後の活動基盤構築に向け,修了生の活動状況,支援状況,委員会等の設置状況の経時的変化を把握し,課題を検討した。修了1年半後において,7割強の実施であった。その内訳は直接的指示が多いが,3割強は手順書作成・使用に至る変化があった。所属施設の関係者においては上司の理解が進められている現状ではあるが,委員会等の設置率は約半数以下であり,連携・協力は4割弱の「かなりできている」であることを考慮すると,各種委員会の設置,修了者の活動促進には,連携・協力体制づくりのための支援がより必要になってきていることが推察された。また,今後は,継続的な修了生の組織体制づくりの経過を調査して行くとともに,活動が促進されない修了生の原因を探索する調査も必要であると考えられた。さらには,修了生の所属施設内での活動に向けた働きかけとその周囲の状況の反応変化を経時的に捉えていくことも必要だと考える。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K12174
- 体系的課題番号 : JP17K12174
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
1-
日本ルーラルナーシング学会第16回学術集会 2021年9月18日