論文

査読有り
2018年8月

微視的放射線輸送計算とフェルスタークエンチングモデルに基づくシンチレーション光強度の解析

PLOS ONE (Internet)
  • 小川 達彦
  • ,
  • 八巻 徹也*
  • ,
  • 佐藤 達彦

13
8
開始ページ
e0202011\_1
終了ページ
e0202011\_19
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1371/journal.pone.0202011

シンチレータは、電子線, $\gamma$線,陽子,重イオンなどの多様な種類の放射線を検知するために広く利用され、付与されたエネルギー量に応じた光を発する。シンチレータにおいては、エネルギー付与密度の高い重イオンのような粒子に対してはクエンチング現象が起こり、エネルギー付与量と比して発光が少なくなることが知られている。さらに、クエンチング現象は励起した蛍光分子が他の蛍光分子にエネルギーを受け渡すメカニズム(Förster効果)によって発生すると推測されている。そこで本研究では、様々なエネルギー・線種の放射線の照射を受けたシンチレータ内でのエネルギー付与を飛跡構造計算コードRITRACKSや汎用放射線輸送計算コードPHITSのT-SED機能により計算し、励起する蛍光分子の空間配置や量を予測した。この計算結果に基づき、各励起分子に対してFörster効果が発生する確率を計算し、励起した分子のうち発光する分子の数を計算した。その結果、電子入射の場合は入射エネルギーと発光量が比例するが、陽子入射の場合は入射エネルギーに対して発光量が非線形に増加し、特に低エネルギーの重イオンに対してはその非線形性がより強くなる実験値を正確に再現することができた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0202011
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5059337
ID情報
  • DOI : 10.1371/journal.pone.0202011
  • ISSN : 1932-6203

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