2012年10月
発病初期に呼吸障害が急速に進行したインフルエンザ(H1N1)2009ウイルス感染児の3例
小児科臨床
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- 巻
- 65
- 号
- 10
- 開始ページ
- 2183
- 終了ページ
- 2190
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本小児医事出版社
発熱に先行して、あるいは発熱直後に急速に呼吸障害が進行したインフルエンザ(H1N1)2009ウイルス感染児の3例を経験した。3例とも、発症直後に咽喉頭痛・前胸部痛・呼吸困難・喘鳴が出現し、低酸素血症を呈し、縦隔気腫を認めた。抗インフルエンザ薬、副腎皮質ステロイド薬が奏功し、比較的短期で退院できた。症例1では、粘稠性が強く細長い円筒状の喀痰を認めた。喀痰細胞診で炎症細胞の浸潤がみられたが好酸球浸潤はなかった。症例2では、気管支鏡検査で喉頭から気管分岐部にいたる気管支粘膜の発赤と炎症性浮腫を認めた。症例3では、解熱後も低酸素血症が遷延したが、胸部CT写真で気管支壁肥厚が解熱後も残存し、それが原因であった可能性が示唆された。3例ともインフルエンザ(H1N1)2009による中枢側下気道の急激な炎症が主病態として考えられた。喘息などの既往歴・家族歴はないが血清総IgE値の上昇が共通してみられた。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0021-518X
- CiNii Articles ID : 40019415425
- CiNii Books ID : AN00116148