2011 - 2014
次世代シークエンス技術導入によるアフリカを中心としたダニ媒介性感染症研究の新展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
- Grant number
- 23255016
- Japan Grant Number (JGN)
- JP23255016
- Grant amount
-
- (Total)
- 12,870,000 Japanese Yen
- (Direct funding)
- 9,900,000 Japanese Yen
- (Indirect funding)
- 2,970,000 Japanese Yen
- Grant type
- Competitive
国内(宮崎県、北海道)、オランダ、ガンビアでマダニ7種を採取し、メタゲノム解析を実施した。手法は、虫体を洗浄、破砕後、界面活性剤処理し、2種の孔径のフィルターでろ過し、細菌を濃縮した画分をDNA分解酵素処理して、宿主ゲノムDNAを除去した。その画分からDNAを精製し、全ゲノム増幅後、次世代シークエンサー(454FLX)で塩基配列を決定した。そのうち、300bp以上の断片を自己組織化マップ(BLSOM)法により分析し、DNA断片が由来する細菌の分類群の同定を行った。その結果、50%以上の配列が細菌由来と同定され、属レベルまでの帰属を明らかにすることができた。これと並行して、マダニホモジネートから精製したDNAを用いて細菌16Sリボソーム遺伝子の一部をPCRで増幅し、その産物を次世代シークエンサーで解析し、細菌16Sリボソーム遺伝子データベースに対してBLAST検索し、種同定を行った。
いずれの解析結果においても、保有細菌叢が1)種間、2)同一種の雌雄間、3)採取地域で差があることが明らかとなった。また、BLSOM解析で人に対して病原性を有すると考えられる種を含む細菌属(Rickettsia, Chlamydia, Francilella, Leptospira等)が検出された。今後、どのような病原体が含まれるのか種レベルまで同定する必要がある。
また、ザンビア、マレーシアの動物血液ならびにマダニDNAを用いてQ熱病原体(Coxiella burnettii)の保有状況を調査した結果、高率に本病原体の遺伝子が検出できた。その他のマダニ媒介性病原体のスクリーニングでは、人獣共通感染症の病原体となる種は検出できていない。
いずれの解析結果においても、保有細菌叢が1)種間、2)同一種の雌雄間、3)採取地域で差があることが明らかとなった。また、BLSOM解析で人に対して病原性を有すると考えられる種を含む細菌属(Rickettsia, Chlamydia, Francilella, Leptospira等)が検出された。今後、どのような病原体が含まれるのか種レベルまで同定する必要がある。
また、ザンビア、マレーシアの動物血液ならびにマダニDNAを用いてQ熱病原体(Coxiella burnettii)の保有状況を調査した結果、高率に本病原体の遺伝子が検出できた。その他のマダニ媒介性病原体のスクリーニングでは、人獣共通感染症の病原体となる種は検出できていない。
- Link information
- ID information
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- Grant number : 23255016
- Japan Grant Number (JGN) : JP23255016