MISC

2021年12月

わが国の慢性透析療法の現況(2020年12月31日現在)

日本透析医学会雑誌
  • 花房 規男
  • 阿部 雅紀
  • 常喜 信彦
  • 星野 純一
  • 菊地 勘
  • 後藤 俊介
  • 神田 英一郎
  • 谷口 正智
  • 中井 滋
  • 長沼 俊秀
  • 長谷川 毅
  • 三浦 健一郎
  • 和田 篤志
  • 武本 佳昭
  • 日本透析医学会統計調査委員会
  • 全て表示

54
12
開始ページ
611
終了ページ
657
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本透析医学会

日本透析医学会統計調査(JSDT Renal Data Registry:JRDR)の2020年末時点における年次調査は,4,493施設を対象に実施され,施設調査票に関しては4,437施設(98.8%),患者調査票に関しては4,271施設(95.1%)のほぼ例年通りの回答を得た.わが国の透析患者数は年々増加し,2020年末の施設調査結果による透析患者数は347,671人に達し,人口百万人あたりの患者数は2,754人であった.患者調査結果による平均年齢は69.40歳で,最も多い原疾患は糖尿病性腎症(39.5%),次いで慢性糸球体腎炎(25.3%),第3位は腎硬化症であった(12.1%).2020年の施設調査結果による透析導入患者数は40,744人であり,2019年から141人減少した.患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は70.88歳であり,原疾患では糖尿病性腎症が最も多く40.7%で,昨年より0.9ポイント少なかった.第2位は腎硬化症(17.5%)で,昨年同様慢性糸球体腎炎(15.0%)を上回った.2020年の施設調査結果による年間死亡患者数は34,414人であり,年間粗死亡率は9.9%であった.主要死因は心不全(22.4%),感染症(21.5%),悪性腫瘍(9.0%)の順で,昨年とほぼ同じ比率であった.2012年以降,血液透析濾過(HDF)患者数は急増しており2020年末の施設調査票による患者数は163,825人で,維持透析患者全体の47.1%を占めた.腹膜透析(PD)患者数は10,338人であり2017年から増加傾向にある.腹膜透析患者のうち20.8%は血液透析(HD)やHDFとの併用療法であり,この比率はほぼ一定していた.2020年末の在宅HD患者数は751人であり,2018年末から9人減少した.2020年は,新規調査項目として,新型コロナウイルス感染症,悪性腫瘍の調査が行われた.また2019年に引き続き,生体腎移植における腎提供の既往が調査された.これらのデータはそれぞれの疾患・患者に関する基礎資料となり,その結果から,より治療効果の高い日常臨床パターンの提案が期待される.(著者抄録)

リンク情報
URL
https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2021&ichushi_jid=J02822&link_issn=&doc_id=20220107300001&doc_link_id=10.4009%2Fjsdt.54.611&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.4009%2Fjsdt.54.611&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif
ID情報
  • ISSN : 1340-3451
  • eISSN : 1883-082X
  • 医中誌Web ID : 2022096273

エクスポート
BibTeX RIS