MISC

2009年

Phanerochaete chrysosporiumリグニン分解酵素発現におけるカルモデュリン阻害剤の影響

日本菌学会大会講演要旨集
  • 阪本 鷹行
  • ,
  • 南 正彦
  • ,
  • 上田 暁生
  • ,
  • 鈴木 一実
  • ,
  • 入江 俊一

53
開始ページ
17
終了ページ
17
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11556/msj7abst.53.0.17.0
出版者・発行元
日本菌学会

白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporiumは二次代謝的に木質リグニンやダイオキシン類等の難分解性有機化合物を単独で完全分解できることから, バイオエタノール生産や環境浄化への応用が期待されている. 難分解性有機化合物分解にはP. chrysosporiumが生産するリグニンペルオキシダーゼ(LiP)やマンガンペルオキシダーゼ(MnP)等のリグニン分解酵素群が深く関与していると考えられているが, 発現機構の詳細については未解明の部分が多い. 本研究室の南らが行ったP. chrysosporiumのトランスクリプトーム解析により, lipおよびmnp遺伝子の転写開始時にCa2+シグナル伝達因子であるカルモデュリン(CaM)遺伝子の転写が誘導されることが示された. 本研究では, リグニン分解酵素発現とCaMとの関係を考察することを目的として, CaM阻害剤がLiPおよびMnP発現へ与える影響を調査した. CaM阻害剤として, トリフルオペラジンとW-7を用いたが, 前者は酵素反応を直接阻害する事が判明し, 以降はW-7のみを用いた. 最終濃度100 μMのW-7を培養48時間目に添加することで酵素活性はほぼ完全に抑制された. しかし, 培養60時間以降にW-7を添加しても, LiP活性は抑制できなかった. また, 対照薬としてCaMに対する親和性が低いW-5を用いた場合は, W-7程には酵素活性は抑制されず, 本実験系におけるW-7の作用機作はCaMであることが強く示唆された. 現在, W-7添加によるlipおよびmnp遺伝子における転写物量変動の測定を行っている.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11556/msj7abst.53.0.17.0
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007004772
ID情報
  • DOI : 10.11556/msj7abst.53.0.17.0
  • CiNii Articles ID : 130007004772

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