ASL(arterial spin labeling)撮像法は,脳血流量を可視化するために有効な非造影のMR撮像法で,アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)の診断への有用性が示されている.そこで,本研究の目的は,ASLによる脳血流画像に基づいて,ADの鑑別支援システムの開発である.本研究では,始めに,脳血流画像とTalairach atlasをそれぞれT2強調画像に,FFD(free-form deformation)法に基づいた非線形レジストレーションを行う.次に,Talairach atlasを基に脳葉ごとの皮質の平均脳血流量を抽出し,ニューラルネットワークを用いてADの鑑別を行った.提案手法を,AD患者10例と健常者10例に適用した結果,resubstitution testの評価では,全症例を正しく鑑別できた.