2016年4月 - 2018年3月
COPDに対する新たな治療戦略樹立に向けたエピジェネティック制御機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
既にDZNepおよびEzh2コンディショナルノックアウト(cKO)マウスを用いて、エラスターゼ誘導肺気腫モデルで気腫が増悪する結果を得ている。Ezh2 cKOマウスを用いたエラスターゼ誘導肺気腫モデルにおいて、投与7日後の全肺細胞をFACSで解析したところ、NK細胞お よびCD11b陽性マクロファージがEzh2 cKOマウス群でEzh2 cKO群で有意に上昇していた。同様に、DZNepを用いたエラスターゼ誘導肺気 腫モデルにおいてもNK細胞およびCD11b陽性マクロファージがDZNep投与群で有意に上昇していることを確認した。また、CD11b陽性細胞もしくはNK細胞に対するアンタゴニストを用いた実験ではDZNep投与による気腫増悪が相殺された。また、Ezh2 cKOマウスを用いて長期喫煙曝露モデルで検討した。喫煙開始12週間後の肺組織において、Ezh2 cKOマウス群で有意に気腫が増悪した。また、FACSではNK細胞およびCD11b陽性マクロファージが上昇していることを確認した。さらにEzh2 cKOマウスにおいて、タモキシフェン誘導性にEzh2をノックアウトし6ヶ月の長期観察を行ったところ、一部のマウスに腫瘍発生がみられることを確認した。また、肺組織を固定したところ、気腫形成がコントロール群に比較して増悪した可能性が示唆された。今後さらに、Ezh2 cKOマウス群での気腫増悪の機序およびヒト肺組織における検討を行う予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 16J07163
- 体系的課題番号 : JP16J07163