両眼視野闘争過程とそれに関わる神経活動を反映する脳波との関係を調べるため、視野闘争過程と視野融合過程の切り替えに伴う頭皮上20点の脳波を測定し、その時空間変化に注目して解析を行った。その結果、視野融合過程から視野闘争過程への切り替わり(F to R)後600msから1000msで後頭部から頭頂部へかけてのα波パワーは大きく減衰し、その後のα波パワーの回復は僅かであった。一方、視野闘争過程から視野融合過程への切り替わり(R to F)後は、α波パワーに大きな回復が見られた。事象関連電位については、R to FとF to R間で刺激切り替わりに関連すると思われる潜時約500msの負の成分が頭頂中心に見られ、このERPの振幅には有意(p<0.01)な差があった。