2018年4月 - 2021年3月
地理情報システムGISによる大気汚染・地表熱の複合曝露の健康影響:コホート研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
世界的な問題の一つである地球温暖化は、生態系に与える影響のみならず、特に都市部ではヒートアイランド現象そのものが与えるヒトへの健康影響についても報告され始めている。加えて、わが国では、地域の交通などを起因とする大気汚染であるPM2.5などの粒子状物質に加え、越境大気汚染として飛来してくる黄砂による健康影響も懸念されている。しかし、それら環境からの回避は容易ではないため、一般的には複合的な曝露を受けているが、その影響はよくわかっていない。近年、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)から様々な環境情報が得られるようになっており、我々は、1990年より開始の多目的コホート研究対象者の居住地情報から、大気汚染曝露、さらに、黄砂と地表熱の各曝露、および、複合曝露を割り当て、その健康影響を、大規模コホート研究で明らかにすることが目的である。
多目的コホート研究の1990年ベースライン当時の居住地域から転出していない約9万人の居住地情報から、今年度は、新たに、Atomospheric Compostion Analysis Groupにより公開されている、1998年から2013年のPM2.5とNO2濃度を個人の居住地に割り当てた。地表熱については、文献検索、情報収集を行い、比較的人口が多く大気汚染濃度情報が多い吹田地域に限定することとし、現在、Landsat等衛星画像の熱バンド画像データを用いて推定作業中である。また、黄砂についても、Lidarシステム割り当て中である。今後、大気汚染・地表熱・黄砂データを用いて、多目的コホート研究における全対象地域において、がん・循環器疾患・死亡との解析を実施し、健康との関連を明らかにする計画である。
多目的コホート研究の1990年ベースライン当時の居住地域から転出していない約9万人の居住地情報から、今年度は、新たに、Atomospheric Compostion Analysis Groupにより公開されている、1998年から2013年のPM2.5とNO2濃度を個人の居住地に割り当てた。地表熱については、文献検索、情報収集を行い、比較的人口が多く大気汚染濃度情報が多い吹田地域に限定することとし、現在、Landsat等衛星画像の熱バンド画像データを用いて推定作業中である。また、黄砂についても、Lidarシステム割り当て中である。今後、大気汚染・地表熱・黄砂データを用いて、多目的コホート研究における全対象地域において、がん・循環器疾患・死亡との解析を実施し、健康との関連を明らかにする計画である。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K10116
- 体系的課題番号 : JP18K10116