2019年4月 - 2023年3月
巨大噴火・津波の痕跡を軸とした17世紀アイヌ文化と環境に関する学際的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 19H01352
- 体系的課題番号
- JP19H01352
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,030,000円
- (直接経費)
- 13,100,000円
- (間接経費)
- 3,930,000円
- 資金種別
- 競争的資金
(1)伊達市有珠地区のオヤコツ遺跡の発掘を行った。昨年同様、新型コロナウィルスの感染対策のため、最小限の人数で範囲を限定して行うこととなったが、柵列、畑跡。貝塚(貝集中)、焼土などを確認することができた。柵列は1663年Us-b上面で、打ち込み式の柱であり直径約6㎝の柱穴6本が約50㎝間隔で直線的に東西方向に並んでいることを確認した。畑跡はUs-bの下位で確認した。条の方向は東西方向に長く、1640年津波堆積物の上位にあることから1640~1663年と限定できる。17世紀のアイヌ民族の畑跡は有珠湾南岸域(ポンマ遺跡、有珠4遺跡、カムイタプコプ下遺跡)で明らかとなっていたが、今回初めてさらに南のエリア(オヤコツ遺跡)で明確に確認でき、アイヌ民族の畑跡がより広範囲に存在していた可能性を示すデータを得られた。貝集中は、アサリとイガイが集中する箇所とホタテガイが集中する箇所が存在した。炭化材の年代測定からは11世紀中頃~13世紀前半頃という値が得られた(暦年代)。焼土は40cm×40cmの範囲で検出した。17世紀よりも以前であるが遺物を伴わないため、時期は判然としない。比熱した土層中には微細な貝と魚骨破片が含まれていた。1640年津波堆積物下位からは、青銅製品1点と擦文土器の破片が数点出土した。土器の口縁部破片は受け口状に内湾する形状で、棒状工具による列点文が施され、頸部には横・縦に格子状となる沈線文が施されている。格子状の沈線文の下部には同心円状の圧痕のある隆帯がつくものと思われ、擦文後期の土器と考えられる。
(2)これまで遺跡出土ラッコ骨の同定は現生骨の標本が無かったために困難な状況であったが、オスの成獣の全身骨格模型を購入したことにより、同定と研究が飛躍的に進んだ。
以上の成果の一部は、東北芸術工科大学の紀要や伊達市噴火湾文化研究所のNews Letterで報告した。
(2)これまで遺跡出土ラッコ骨の同定は現生骨の標本が無かったために困難な状況であったが、オスの成獣の全身骨格模型を購入したことにより、同定と研究が飛躍的に進んだ。
以上の成果の一部は、東北芸術工科大学の紀要や伊達市噴火湾文化研究所のNews Letterで報告した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H01352
- 体系的課題番号 : JP19H01352
この研究課題の成果一覧
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論文
4-
列島の人々は火山災害にどのように向き合ってきたのか 火山災害考古学から今を考える 225-238 2024年1月 筆頭著者
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東北芸術工科大学文化財保存修復研究セン ター紀要 令和3年度 44-53 2022年6月 査読有り
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東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター紀要 令和2年度 55-64 2021年5月 査読有り
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文化財科学 (82) 1-20 2021年2月15日 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
5-
日本考古学協会第89回総会 2023年5月28日
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30th International Tsunami Symposium at Sendai in Tohoku 2021年7月3日
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地底の森特別講座 「ミュージアムと災害」 2021年2月6日 招待有り
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第35回日本文化財科学会大会 2018年6月7日
-
えぞ地の畑作研究会主催シンポジウム「アイヌの畑作農耕を探る」④ 2017年11月25日
メディア報道
1-
河北新報社 河北新報 朝刊 2021年2月7日 新聞・雑誌