MISC

2019年3月

【VRの現在と未来を考える】 バーチャルリアリティ環境におけるニューロリハビリテーションの可能性

神経眼科
  • 岡 真一郎
  • ,
  • 池田 拓郎
  • ,
  • 吉田 誠也
  • ,
  • 近藤 遥奈
  • ,
  • 筒井 友美
  • ,
  • 田中 晴菜
  • ,
  • 後藤 和彦
  • ,
  • 光武 翼
  • ,
  • 後藤 純信

36
1
開始ページ
36
終了ページ
43
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本神経眼科学会

バーチャルリアリティ(VR)を用いたニューロリハビリテーションの基盤研究として、2つの実験を行った。実験1では、右頭頂葉と視運動性眼振(OKN)および立位姿勢制御の関連機構について検討した。右頭頂葉の一過性機能抑制には、経頭蓋直流電流刺激の陰極刺激を使用し、OKNと身体動揺を計測した。その結果、右頭頂葉の感覚情報処理は視運動性眼振および開眼時立位姿勢制御と関連していることが示された。実験2として、完全没入型のスマートフォン用ヘッドマウントディスプレイ(S-HMD)を使用し、視運動刺激(OKS)がバランス能力に与える影響について検討した。その結果、OKS後は静止立位および左右片脚立位の開閉眼条件での姿勢制御機能が向上した。運動先行型の脳機能を賦活するニューロリハビリテーションは、リハビリテーションの効果を高める可能性を有することが示された。民生用HMDは、VRによるニューロリハビリテーションを臨床現場へ広く普及させるためのデバイスとしてのポテンシャルを秘めている。今後、HMDを用いたニューロリハビリテーションの推進を期待する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0289-7024
  • 医中誌Web ID : T411420004

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