2021年4月 - 2025年3月
非破壊化学分析による石器石材の研究:先史時代の石材の変遷について
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
第1年度(2021年)はコロナ禍による渡航制限、行動制限の影響を受け、予定していた現地調査による石器石材の観察と化学分析が行えなかった。その一方で、石材調査のために必要な関連周辺地域の岩石を研究協力者の手助けによって入手することが叶い、それら岩石試料の岩石学的・鉱物学的分析を行った。
日本の、特に東日本における縄文時代の石器石材調査に関連して、岩手県早池峰山塊の蛇紋岩、滑石岩および関連の緑色変成岩類、新潟県糸魚川地域の蛇紋岩、ヒスイ輝石岩、緑色変成岩類の分析を行った。この2か所は本研究で注目している緑色のネフライト(緑閃石)の産地であることが確認された。また、北海道地方日高地方のに産する緑色岩(「アオトラ石」)や神居古潭変成岩帯の緑色片岩、青色片岩の分析を行った。これらの岩石の一部は、東北日本で多く出土している石斧と同質のものと同定された。
さらに縄文時代末から弥生時代の石器石材調査のための予備調査として碧玉、緑色凝灰岩の収集と化学分析をおこなった。これらの石材については北海道、東北、北信越、山陰地方の既知の産地からの収集と分析を行った。これらの化学分析は、台湾・中央研究院地球科学研究所のSEM-EDS及びEPMAを用いて行い、並行してポータブルXRFによる確認分析も行った。石材の分析を通して、各地域の岩石学的・鉱物学的な特徴の相違点の理解が進み、また化学組成値のデータベース作成が進んだ。
日本の先史時代に利用されていた石材の基本的なデータベースが構築できたことで、日本列島では産出しないアジア大陸由来の石材である白色ネフライト(透閃石岩)の装身具を見出すに至った。この成果は日本第四紀学会2021年大会で発表した。また、一連の調査成果については、考古学誌、および関連する地方の調査報告書で発表を行った。
日本の、特に東日本における縄文時代の石器石材調査に関連して、岩手県早池峰山塊の蛇紋岩、滑石岩および関連の緑色変成岩類、新潟県糸魚川地域の蛇紋岩、ヒスイ輝石岩、緑色変成岩類の分析を行った。この2か所は本研究で注目している緑色のネフライト(緑閃石)の産地であることが確認された。また、北海道地方日高地方のに産する緑色岩(「アオトラ石」)や神居古潭変成岩帯の緑色片岩、青色片岩の分析を行った。これらの岩石の一部は、東北日本で多く出土している石斧と同質のものと同定された。
さらに縄文時代末から弥生時代の石器石材調査のための予備調査として碧玉、緑色凝灰岩の収集と化学分析をおこなった。これらの石材については北海道、東北、北信越、山陰地方の既知の産地からの収集と分析を行った。これらの化学分析は、台湾・中央研究院地球科学研究所のSEM-EDS及びEPMAを用いて行い、並行してポータブルXRFによる確認分析も行った。石材の分析を通して、各地域の岩石学的・鉱物学的な特徴の相違点の理解が進み、また化学組成値のデータベース作成が進んだ。
日本の先史時代に利用されていた石材の基本的なデータベースが構築できたことで、日本列島では産出しないアジア大陸由来の石材である白色ネフライト(透閃石岩)の装身具を見出すに至った。この成果は日本第四紀学会2021年大会で発表した。また、一連の調査成果については、考古学誌、および関連する地方の調査報告書で発表を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K00987
- 体系的課題番号 : JP21K00987
この研究課題の成果一覧
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論文
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北海道立北方民族博物館研究紀要 (33) 1-15 2024年3月30日 査読有り筆頭著者責任著者
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盛岡市遺跡の学び館令和4 年度館報 21-26 2024年3月25日
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文明動態学 3 141-153 2024年3月2日 招待有り筆頭著者責任著者
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鳥浜貝塚研究 (7) 23-35 2023年4月 筆頭著者
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谷地遺跡 分析・考察編』蔵王町文化財調査報告書 (26) 153-154 2022年5月
講演・口頭発表等
4-
2023年度日本考古学協会宮城大会(第二分科会) 2023年10月29日 招待有り
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2023年度日本考古学協会宮城大会(ポスターセッション) 2023年10月29日
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岡山大学文明動態学研究所第1回特別展記念講演(『文明動態学』vol.3) 2024年3月 岡山大学文明動態学研究所 招待有り
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日本第四紀学会2021年大会(大阪 オンライン) 2021年8月27日
メディア報道
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下野新聞 2021年12月3日 新聞・雑誌