2020年4月 - 2024年3月
フッサール「『改造』論文」とその文脈に関する総合的研究:社会の現象学を中心に
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度はふたつの研究を中心に進められた。
第一に、フッサールの「『改造』論文」とその関連草稿(ともに『フッサール全集(Husserliana)』第27巻に所収)を全訳し、注解を付ける研究会を定例でおこなった。本年度は、第一論文「革新。その問題と方法」について、下訳を一文ずつ検討しながら注釈のためのメモを科研費メンバーのうち三名の共同で作成した。その際の役割分担は以下の通りである。植村は、下訳を作成し研究会の進行管理を行ったほか、主に現象学方法論の観点からの注解作成にあたった。吉川と八重樫は、下訳のチェックを行いつつ、フッサールおよび初期現象学の倫理学という観点からの注解作成にあたった。また竹島は、現象学の非専門家の立場からの助言にあたった。こうした翻訳と注解の作業は本研究を着実に進めるための地固めとしての役割を果たすと同時に、翻訳の出版を通じて本研究の最大の成果のひとつとなる予定である。
上と平行して、各自が研究計画において割り当てられた課題に取り組んだ。植村は、フッサールの本質論が初期の倫理学において果たしている役割について研究したほか、初期現象学における社会哲学に関するこれまでの研究成果を、シュタインとヴァルターだけでなく、尾高朝雄にも着目しながら整理した。吉川は、当初の予定では八重樫が取り組む予定だった個人倫理学の観点からのフッサール研究として、「生き方としての現象学」という発想の再検討を行った。八重樫は、フッサールの個人倫理学に関する研究として後期の倫理学草稿の内容を整理したほか、当初の予定では吉川が取り組む予定だった社会倫理学の観点からのフッサール研究にも取り組んだ。竹島は、尾高朝雄のヘーゲル論の準備のため、尾高の主要著作の調査にあたった。これらの研究の成果は次年度以降に本格的に発信される予定である。
第一に、フッサールの「『改造』論文」とその関連草稿(ともに『フッサール全集(Husserliana)』第27巻に所収)を全訳し、注解を付ける研究会を定例でおこなった。本年度は、第一論文「革新。その問題と方法」について、下訳を一文ずつ検討しながら注釈のためのメモを科研費メンバーのうち三名の共同で作成した。その際の役割分担は以下の通りである。植村は、下訳を作成し研究会の進行管理を行ったほか、主に現象学方法論の観点からの注解作成にあたった。吉川と八重樫は、下訳のチェックを行いつつ、フッサールおよび初期現象学の倫理学という観点からの注解作成にあたった。また竹島は、現象学の非専門家の立場からの助言にあたった。こうした翻訳と注解の作業は本研究を着実に進めるための地固めとしての役割を果たすと同時に、翻訳の出版を通じて本研究の最大の成果のひとつとなる予定である。
上と平行して、各自が研究計画において割り当てられた課題に取り組んだ。植村は、フッサールの本質論が初期の倫理学において果たしている役割について研究したほか、初期現象学における社会哲学に関するこれまでの研究成果を、シュタインとヴァルターだけでなく、尾高朝雄にも着目しながら整理した。吉川は、当初の予定では八重樫が取り組む予定だった個人倫理学の観点からのフッサール研究として、「生き方としての現象学」という発想の再検討を行った。八重樫は、フッサールの個人倫理学に関する研究として後期の倫理学草稿の内容を整理したほか、当初の予定では吉川が取り組む予定だった社会倫理学の観点からのフッサール研究にも取り組んだ。竹島は、尾高朝雄のヘーゲル論の準備のため、尾高の主要著作の調査にあたった。これらの研究の成果は次年度以降に本格的に発信される予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01177
- 体系的課題番号 : JP20H01177
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
24-
立命館哲学 35 1-34 2024年3月 招待有り
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20世紀初頭価値哲学の反自然主義:現代価値論の再考のために 19-33 2023年8月
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Phainomenon. Journal of Phenomenological Philosophy 35(1) 25-46 2023年6月11日 査読有り
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倫理学研究 (53) 4-15 2023年6月 招待有り筆頭著者
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プロセス思想 (22) 49-63 2023年3月31日 招待有り
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あらわれを哲学する:存在から政治まで 85-100 2023年3月30日 招待有り
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岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要 (55) 2023年3月 筆頭著者最終著者責任著者
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The Oxford Handbook of Phenomenologies and Organization Studies 555-572 2023年1月26日 招待有り
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Else Voigtländer: Self, Emotion, and Sociality 71-88 2023年1月 招待有り
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岡山大学文学部紀要 (75) 1-11 2022年12月 筆頭著者最終著者責任著者
MISC
1-
Encyclopedia of the Philosophy of Law and Social Philosophy 1-4 2022年7月 査読有り招待有り筆頭著者
書籍等出版物
4-
Springer 2023年1月 (ISBN: 9783031187612)
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法政大学出版局 2022年11月 (ISBN: 9784588151316)
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Peter Lang Pub Inc 2021年12月20日 (ISBN: 1800796226)
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Palgrave Macmillan 2021年6月
講演・口頭発表等
24-
Colloque international de phénoménologie « La phénoménologie et “l’oubli” du Japon. Rôle et signification du “Japon” dans la phénoménologie au XXIe siècle » 2024年3月25日 招待有り
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第22回フッサール研究会 2024年3月2日
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Motivation and Time 2024年1月12日 the Department of Classics and Philosophy, University of Cyprus. 招待有り
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Phenomenology Imagination, Intuition and Modality 2023年9月15日 Università degli studi di Padova 招待有り
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Husserl’s Ethics in the Global Context: The Kaizo Articles Centenary Conference II 2023年9月13日 招待有り
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Husserl's Ethics in Context. Kaizo Articles Centenary Conference II 2023年9月12日 Husserl Archives, KU Leuven 招待有り
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Husserl’s Ethics and Social Philosophy in Context: The Kaizo Articles Centenary Conference 2023年5月4日 招待有り
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Husserl's Ethics and Social Philosophy in Context. The Kaizo Articles Centenary Conference 2023年5月4日 Okayama University
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Husserl’s Ethics and Social Philosophy in Context: The Kaizo Articles Centenary Conference 2023年5月4日
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Alternative Approaches to Phenomenology and Metaphysics 2023年2月24日 招待有り