2020年4月 - 2023年3月
語彙処理と文処理のメカニズムを統合した英語学習者の形態素習得に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究は,英語の第二言語学習者が持つ屈折形態素の知識とその処理メカニズムについて,(a)語彙処理,(b)文処理,(c)形態素とそれが持つ意味のマッピングという3つの観点から習得困難性を統合的に説明する仮説の生成を目指すものである。特に,複数形形態素を取り上げ,その処理を英語母語話者のそれと比較することを通じて,学習困難性がどの領域に生じるのかを特定することを明らかにすることを試みる。
当初の計画では,2021年度は予備実験で得られたデータの解析と学会発表を行う予定であった。そして,その後本実験のデータ収集を開始する予定であった。しかしながら,2020年度の進捗状況が大幅に遅延した影響で,2021年度内に行う予定であった予備実験と本実験を実施する事ができなかった。
しかしながら,webベースの実験構築に取り組み,コンピュータ上で本研究の中核となる実験課題を行うことが可能な環境の構築が完成した。ただし,現段階では実験で取得したデータをウェブ上のデータベースに自動的に保存する仕組みが完成していない。データベースに実験データが保存される仕組みを構築することで,参加者にとっても実験に参加するハードルがさがり,実験参加者募集の段階でのメリットが見込まれる。
実験構築と並行して,上記(b)の文処理についての研究を国際学術雑誌に発表した。この研究では,学習者が英語母語話者と異なるふるまいを見せた場合に,それが単なる知識の欠如や処理の非効率性ではなく,学習者が持つ中間言語文法知識の影響である可能性が示唆された。また,その知識は実験中にターゲット文法項目に繰り返し晒されることがきっかけとなって活性化する可能性も示唆された。こうした知見は,第二言語の文処理メカニズムを明らかにするための重要な知見となりうると考えている。
当初の計画では,2021年度は予備実験で得られたデータの解析と学会発表を行う予定であった。そして,その後本実験のデータ収集を開始する予定であった。しかしながら,2020年度の進捗状況が大幅に遅延した影響で,2021年度内に行う予定であった予備実験と本実験を実施する事ができなかった。
しかしながら,webベースの実験構築に取り組み,コンピュータ上で本研究の中核となる実験課題を行うことが可能な環境の構築が完成した。ただし,現段階では実験で取得したデータをウェブ上のデータベースに自動的に保存する仕組みが完成していない。データベースに実験データが保存される仕組みを構築することで,参加者にとっても実験に参加するハードルがさがり,実験参加者募集の段階でのメリットが見込まれる。
実験構築と並行して,上記(b)の文処理についての研究を国際学術雑誌に発表した。この研究では,学習者が英語母語話者と異なるふるまいを見せた場合に,それが単なる知識の欠如や処理の非効率性ではなく,学習者が持つ中間言語文法知識の影響である可能性が示唆された。また,その知識は実験中にターゲット文法項目に繰り返し晒されることがきっかけとなって活性化する可能性も示唆された。こうした知見は,第二言語の文処理メカニズムを明らかにするための重要な知見となりうると考えている。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 20K13123
- 体系的課題番号 : JP20K13123
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Second Language Research 2023年8月8日 査読有り筆頭著者