(インターネットでアクセス可能な統計データ集を最後にまとめてあります)
(入門レベル)
ゼミナール国際経済入門
伊藤 元重
日本経済新聞社(2005/02)
分かりやすさ、読みやすさという意味では一歩抜きんでている秀逸な入門書。出版年がやや古いので取り扱われているトピックが現時点のものではないが、それが気にならないほど読みやすい。授業での指定参考図書。
はじめて学ぶ国際経済 (有斐閣アルマ)
浦田 秀次郎, 小川 英治, 澤田 康幸
有斐閣(2010/12/27)
こちらも数式などをできるだけ使わず解説されており初学者向け。国際貿易、国際金融に続き、開発経済学の3分野をカバーしている点がユニーク。政府開発援助の仕組みなどについても丁寧な解説。次に紹介する本へステップアップしていく前段階で読むと良い。
(学部2-3年生から)
上記の本の次の段階としてお勧めしたい本。上に紹介した本と同じく国際貿易、国際金融に続き、開発経済学の3分野をカバーしている。実証研究の成果もふんだんに紹介されており、理論とともに理解できる点も良い。練習問題も充実して理解を確認するのに役立つ。授業での指定参考図書。
浦田 秀次郎
日本経済新聞出版社(2009/02)
国際貿易に焦点を置いた入門書。新書版で調べたい時にすぐ手に取れ、また、短い説明で手際よくリカード・モデル、ヘクシャー=オリーン・モデルなどの理論について解説されている。
(中級レベル)
クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕下:金融編
Paul R. Krugman, Maurice Obstfeld, Marc J. Melitz
丸善出版(2017/01/19)
世界中で使われているポール・クルーグマンの国際経済学テキストで基礎から応用までカバーしている。
(グローバリゼーション:3つの異なる視点から考えるための本)
自由化推進派のバグワティ教授の代表作。
フェアトレード―格差を生まない経済システム
ジョセフ スティグリッツ, アンドリュー チャールトン
日本経済新聞出版社(2007/03)
Fair Trade for Allという英文のタイトルが示すとおり、途上国の視点からどうしたら国際経済システムが貧困層などのためになるかを問い直している本(私にとってはスティグリッツ先生のところに出入りするきっかけになった感慨深い本でもあります)。
はしごを外せ―蹴落とされる発展途上国
ハジュン チャン
日本評論社(2009/10)
上の「フェアトレード」よりも世界銀行、IMF、WTOによる世界貿易体制をかなり批判的に論じている。ハージュン・チャンは私も一章書いてスティグリッツ先生の編集で出した以下の本の共著者。ケンブリッジ大学。
(商品から見る国際貿易とその歴史)
次の4点はお茶、コーヒー、バナナ、砂糖の貿易の歴史から近代史を理解するのに良い。なお、いずれも世界システム論的な立場から書かれている。
砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)
川北 稔
岩波書店(1996/07/22)
(その他)
新・世界経済入門 (岩波新書)
西川 潤
岩波書店(2015/01/01)
国際経済学の理論を学ぶ前段階として、世界経済の現状について貿易、多国籍企業、食糧と人口、環境問題、市民社会などイシュー毎に学ぶのに適している。
図説というとおり図や表で現状が解説されているので、手元において必要な時に数字を確認したり、資料を参照するのに重宝する。
(データ、統計など案内)
(日本に関するデータ)
経済産業省 「通商白書」各年版
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/index_tuhaku.html
ジェトロ 「貿易投資白書」各年版
https://www.jetro.go.jp/world/gtir/
日本の政府統計の窓口
https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
(日本に関するデータを集めるのならここから始めるのが良い。「都道府県・市区町村のすがた」などミクロなパネルデータも充実。)
(国際データ)
Penn World Table
http://cid.econ.ucdavis.edu/pwt.html
(もっともよく活用されるデータ集。Version 8.0が最新でダウンロードして使う)
(データ分析のアプリを提供している。非常に優れており、ポール・クルーグマンはよくここのデータを使って分析をしている)
Groningen Growth and Development Centre
http://www.rug.nl/ggdc/productivity/10-sector/other-releases/africa-sector-database
(アフリカのセクターデータが充実。ちなみに同じデータベースから、歴史的な時系列データであるMaddison Historical Statisticsや上に記したPen World Tableなどにもアクセスできる)
(世界銀行データベース)
http://data.worldbank.org/
世界銀行「世界開発指標(WDI: World Development Indicator」
http://data.worldbank.org/data-catalog/world-development-indicators
(なお、世界銀行からは「World Bank Macro Stats to Go」「World DataFinder」というアプリが無料で提供されておりスマホやタブレットでWDIを見ることができる。とても使いやすいのでオススメ)
世界銀行「マイクロ・データ・ライブラリー」
http://microdata.worldbank.org/index.php/catalog/central
(世銀が現場で集めたマイクロ・データが集められ公開されており重宝する。特にEnterprise Surveyは充実している。アクセスするにあたり登録が求められますが無料です)
(国際機関データーベース)
UNIDO
http://stat.unido.org/
(TFPなど生産性関連のデータが充実)
UNCTAD
http://unctadstat.unctad.org/EN/
(直接投資のデータなどが充実)
FAO
http://www.fao.org/faostat/en/#home
(農業統計が充実)
(日本の国別の援助方針や現在の取り組みについては以下のサイトから)
国別のデータブック、生活情報、案件の配置地図などが見れます。
https://www.jica.go.jp/regions/index.html
(データーを読みこなすための参考書)
なお、国を見るための指標を知るためにこちら↓が参考になる。全文、PDFでダウンロード可能。
『指標から国を見る ―マクロ経済指標、貧困指標、ガバナンス指標の見方―』
https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/200803_aid02.html