共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2019年3月

胚発生を制御するシグナルカスケードの要素としての機械的力に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
16J01027
体系的課題番号
JP16J01027
配分額
(総額)
2,800,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
0円

平成30年度は、機械的力シグナルの受容・伝達に必要な遺伝子 (機械的力シグナル構成因子)の網羅的な同定および機械的力シグナル構成因子の突然変異体の発生解析を行った。平成28年度に同定した機械的機械的力シグナル構成因子から、3遺伝子(Hsp68, Hsp23, DnaJ-1)を選定し、その発現調節領域下流に、ΦC31システムを用いた組換えを利用して、改変型緑色蛍光タンパク質EGFPがインフレームで導入されたトランスジェニックショウジョウバエを作出した。これらの胚を、2枚のガラスプレートに挟んで圧迫することで、機械的力の負荷を行った。機械的力を負荷したまま、2時間、共焦点レーザー顕微鏡を用いてライブイメージングを行った。その結果、DnaJ-1は、圧迫によって有意に発現上昇することが分かった。また、より薄いスペーサーを用いて、より強い圧迫を負荷すると、Hsp23およびHsp68も、有意に発現上昇することが分かった。これらの結果は、機械的力シグナル構成因子は、機械的力によって発現誘導を受け、また、発現誘導に必要な機械的力の閾値は、遺伝子によって異なるということを示唆している。
選定した遺伝子は、熱ショックストレス応答遺伝子であったため、熱ショックストレス応答のマスターレギュレーターであるHsfの突然変異体の表現型を観察した。Hsf突然変異体は、野生型と比較すると、胚性致死の表現型を示したが、形態に異常はなかった。このことは、発生の正常な進行に機械的力シグナルが必要である可能性を示唆しているが、それが熱ショックストレス応答によるものかは不明である。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/en/grant/KAKENHI-PROJECT-16J01027/
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16J01027
ID情報
  • 課題番号 : 16J01027
  • 体系的課題番号 : JP16J01027

この研究課題の成果一覧

論文

  5

講演・口頭発表等

  6