共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

次世代型ファージ療法の開発と臨床応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01506
体系的課題番号
JP17H01506
配分額
(総額)
42,640,000円
(直接経費)
32,800,000円
(間接経費)
9,840,000円

本研究では、薬剤耐性化が進む細菌感染症に対して、細菌にのみ感染し死滅させるバクテリオファージを用いた次世代型のファージ療法を開発する。薬剤耐性化が進む細菌感染症において、ファージを使用したファージ療法への期待は大きくなっているが、その治療応用においては検討すべき課題が多い。本年度は、「宿主細菌とファージのtrade-offを利用したファージカクテルの検討」、また「ファージとエンドライシンの利用法」の2点について検証を行った。
①「宿主細菌とファージのtrade-offを利用したファージカクテルの検討」
ファージセラピーにおいては、ファージ耐性菌への対応のためあらかじめ複数のファージをカクテル化することが一般的である。効果的なファージのカクテル化を行うにあたり、宿主細菌とファージのtrade-offを利用したファージカクテル化について検討した。まず、高度に薬剤耐性化した大腸菌(HUE1)に対して特異的な新規ファージ(L27)を発見し、そのゲノム解析を行い、データベースへの登録を行った。L27によるHUE1への攻撃は、ファージ耐性化を引き起こすことが明らかとなり、一方そのファージ耐性菌は他のT系ファージにより感染溶菌されるというtrade-offの現象を見いだした(学会にて受賞)。
②ファージとエンドライシンの利用法
ファージが細菌に感染した後、ファージ由来溶菌酵素によって細菌のペプチグリカンが破壊され細菌は死滅する。その溶菌酵素遺伝子から溶菌酵素を人工合成し、細菌の培養液に加えることで迅速な溶菌が確認できる。本溶菌酵素とファージを併用することで効果的な溶菌を示し、マウス全身感染モデルにおいて、相乗効果を発揮することを証明した(特許出願中、学会にて受賞)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01506
ID情報
  • 課題番号 : 17H01506
  • 体系的課題番号 : JP17H01506

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