共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

企業文化と労務管理の形成・変化・継承―上田市鐘紡丸子工場の設立から閉鎖まで―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K01609
体系的課題番号
JP21K01609
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

2021(令和3)年度は新型コロナウィルスの蔓延により資料調査先の受け入れが困難となり、資料調査自体を行うことができなかった。したがって、2020年に研究代表者・結城と研究分担者・小林が資料調査・撮影して得られた資料群を他の研究分担者・協力者と共有して、資料調査する上での研究計画や論点を議論した。具体的には次の通りである。
①図面資料に基づいた建築史的研究:明治・大正期の鐘紡との比較、②本社―工場間の関係:企業文化の形成と変容、鐘紡経営の工場の位置づけと運営方法、③鐘紡における従業員教育・女子教育など労務管理、④③と関連して労働運動に関する研究、⑤統制経済との関連:鐘紡は国策会社同然となったが丸子は軍需品は造らなくてもよい工場であったといわれている、⑥地域社会・経済との関係、⑦⑥と関連して同地域同業他社との関連:とくに製糸結社「依田社」や「信濃絹糸紡績」(依田社の子会社―現「シナノケンシ」)が重要であると考えられる、⑧丸子鐘紡が日本で最後の絹糸紡績工場となるが、なぜ、丸子が最後まで存続しえたのか、⑨⑧に関連して、鐘紡・日本経済の変遷を丸子工場を通じて定点観測等である。
くわえて、絹糸紡績の工場であるという点が重要な論点になることが確認された。同じ絹から生産されるが、長繊維(生糸)と短繊維(絹糸紡績)で肌触りや製法が異なっており、生糸は和服に使われるが絹糸紡績はそうではない。他方、海外ではこだわりはない。また絹糸紡績では化学薬品を大量に用いるので、製法や必要となる人材も異なる可能性がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K01609
ID情報
  • 課題番号 : 21K01609
  • 体系的課題番号 : JP21K01609