共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

InSARによる平常時・災害時の都市インフラ施設の変形計測と被害検知技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02050
体系的課題番号
JP17H02050
配分額
(総額)
17,810,000円
(直接経費)
13,700,000円
(間接経費)
4,110,000円

イランのウルミア湖にかかる橋梁を対象に,ALOS, ALOS2, Sentinel-1, TerraSAR-X衛星画像を用いて,長期間にわたる橋梁の沈下変形をSBASにより明らかにした。橋桁の時系列変動について主成分分析を行い,橋梁建設からの経過時期,水深,気温等との関係を検討したところ,第1成分の建設からの経年がもっとも影響があること,第2,第3成分はそれぞれ水位,外気温と相関があることを示し,これらを説明変量とした沈下予測のモデルを構築した。前年度による検討から地震前後のSAR画像のコヒーレンスが低下する地域は液状化に起因した地盤地下とよく対応し,地盤の沈下量が大きいほど,そして,沈下の勾配が大きいほどコヒーレンスは低下し,さらに,不同沈下であればコヒーレンスの値が乱れる傾向があることがわかっている。そこで,2018年9月6日の北海道胆振東部地震の液状化等による地盤被害を観測したSAR画像においてもその傾向があるかを検証し,地震前後ペアにてコヒーレンスの値が低下した地域は液状化被害が報告されている地域や著者らの現地調査とも対応した。液状化に起因した地盤被害地域を視覚的・定量的に抽出するため,コヒーレンス画像を主体として,さらに,強震観測記録および微地形分類図に基づき推定した液状化危険度と地盤の傾斜度を補足的に重畳して求めた液状化ポテンシャル画像を作成し,液状化ポテンシャルが高い地域は液状化被害とよく対応し,旧地形における谷筋および旧河道の位置とも対応することを示した。ライフライン被害推定に関しては,熊本地震の被災地を2つの軌道から観測したSAR画像を用いて,InSAR解析から地盤変位を水平方向と鉛直方向に分解し,変位分布の勾配(地盤ひずみに近似)と熊本地震のガス本支管の被害率との関係を検討し,勾配が大きい地域ほど被害率が高くなることを示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02050
ID情報
  • 課題番号 : 17H02050
  • 体系的課題番号 : JP17H02050