共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

免疫正常マウスを用いた線維性胃癌腹膜播種モデルにおける免疫抑制性微小環境の改変

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K08704
体系的課題番号
JP21K08704
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

我々は、胃癌腹膜播種巣は抑制的免疫微小環境を呈している(CD8陽性細胞の浸潤少なく、M2マクロファージや肥満細胞の浸潤が多い)ことを明らかにした。この原因として癌関連線維芽細胞 (CAFs)から分泌される各種サイトカイン、ケモカインが関与することを明らかにし、その抑制的免疫微小環境を改変する事を目的とした。
まず臨床検体と同様、線維化を伴い浸潤免疫細胞の構成が類似したマウス胃癌腹膜播種モデルの作成に成功した。
次いで、CAFsから分泌されるサイトカイン・ケモカインによってM2マクロファージの遊走が促進されることを、マウス大腿骨髄から分離した単球からCD11b陽性、CD163陽性細胞(M2マクロファージ)を誘導し、マウス胃癌細胞株YTN16培養上清に比較してYTN16とマウス筋線維芽細胞LmcMFと共培養した上清によってM2マクロファージの遊走が有意に増加することを証明した。その際の上清中に含まれるM2マクロファージ遊走因子を同定するためにケモカインアレイを施行したところ、CXCL12濃度が上昇しており、定量的PCRにおいてもCXCR12 mRNAが増加していることを証明した。同時に、誘導したM2マクロファージにCXCL12の受容体であるCXCR4が発現していることはウェスタンブロット法にて確認済である。
さらに、LmcMF細胞培養上清よりYTN16細胞との共培養した培養上清の方が有意にCXCL12濃度が高く、その濃度は線維芽細胞の機能を抑制するTranilastによって有意に低下し得た。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K08704
ID情報
  • 課題番号 : 21K08704
  • 体系的課題番号 : JP21K08704