共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

フランスの論述型大学入試で問われる思考力・判断力・表現力とその育成法の総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H01635
体系的課題番号
JP19H01635
配分額
(総額)
11,960,000円
(直接経費)
9,200,000円
(間接経費)
2,760,000円

研究目的は、次の3点である。
I) フランスの大学入学資格試験であるバカロレア試験で問われる思考力・判断力・表現力の特徴とその歴史的変化の解明
II) その能力をフランスの中学校・高校でいかに育成しているかの解明
III) I) とII)に基づく入試・実践改善のヒントを日本の大学教員と中等教育教員に提供
そのために、科研の成果まとめとして出版した『フランスのバカロレアにみる論述型大学入試に向けた思考力・表現力の育成』(ミネルヴァ書房、2020年)の書評会(2021年3月)をもとにして、大衆教育社会におけるフランスの高大接続の問題点や諸論点について、研究代表者と研究分担者と研究協力者(夏目達也氏)が論文を執筆した。これは、広島大学の本『高等教育研究叢書』としてまとめて出版することが決定している。
2020年の本では、バカロレア試験でどのような思考力・表現力が問われており、それが中学校・高校でいかに段階的に育成されているのかを示した。だが、留年や中退などの接続上の問題が大学など高等教育で起こっていることを示すにとどまり、バカロレア試験に向けて育まれた思考力・表現力が高等教育にどのようにつながっているのか、いないのかは十分検討することができなかった。また、2018年からの高大接続改革の内容は紹介したものの、この改革がフランスの中等教育や高等教育にいかなる影響を与えたのかの分析も不十分であった。そこで本叢書では、フランスの中等教育で育まれた学力の高等教育への接続に関する論点と課題や、高大接続改革の影響をふくめ、フランスの高大接続の可能性と問題点を提示する。本叢書を発行することで、大衆教育社会のフランスにおける高大接続の利点と課題を総合的に示すことができる。これにより、同じく大衆教育社会の日本において、高大接続をいかにデザインすべきかについての示唆が得られる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01635
ID情報
  • 課題番号 : 19H01635
  • 体系的課題番号 : JP19H01635

この研究課題の成果一覧

論文

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