2007年 - 2009年
筋萎縮性側索硬化症モデルマウスの免疫療法とミクログリアの病態解析についての研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
難治性神経変性疾患であるALSは原因不明で有効な治療法が存在しない。我々はスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)の突然変異を有する家族性ALSのモデルマウスを用いてワクチン療法の改良と新規抗体療法の開発、ミクログリアがALS病態に及ぼす役割について検討した。その結果、野生型SOD1の金属非配位状態(アポ型)がワクチンとして有効であり、その投与によって脊髄病巣でインターロイキン4(IL4)の発現が増加し、炎症促進サイトカインであるtumor necrosis factor α(TNF)やinterferon gamma (IFNγ)の発現が抑制されることを明らかにした。さらに変異SOD1を特異的に認識するモノクローナル抗体の開発に成功し、そのALSモデルマウスへの髄腔内投与法の開発と進行抑制効果を確認した。また細胞外に分泌されたミクログリアがCD14を介して活性化され神経毒性を有することを明らかにした。ワクチンと抗体療法は、抗原の特化や抗体の分子変換によって今後さらに発展が見込まれる。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 19390240
- 体系的課題番号 : JP19390240