2018年7月 - 2022年3月
音楽の継承プロセスと非認知能力の拡張に関する人類学的研究:音、身体、情動
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
- 課題番号
- 18KT0030
- 体系的課題番号
- JP18KT0030
- 配分額
-
- (総額)
- 15,340,000円
- (直接経費)
- 11,800,000円
- (間接経費)
- 3,540,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は「音楽の継承」を切り口とし、世界各地における多様な民族誌的データを駆使しながら「学び」の可能性を具体的な音楽教育に落とし込むための理論構築を行う事を目的としている。本年度も引き続き各メンバーのもつ既存のデータを提示し合いながら、非認知能力を伸ばす次世代教育への接合の可能性を模索するためのすり合わせ作業及び理論的側面の深化をはかるために研究会や視察、具体的な実践活動を行なった。
特に今年度力を入れたのは、音楽が形成される「場」あり方をホリスティックにとらえるための理論的基盤の構成である。具体的には、ティア・デノーラにおける行為を中心とした音の構成を社会学的見地から分析していく方法の可能性、またアントニー・エニオンにみられるような音の構成が生み出す情動のあり方を多様なアクターが生み出すメディエーション機能との接合の中で見出していこうとする視座、さらにはアーティスト、聴衆、エンジニア、レコード制作に携わる人々などがもたらす媒介の特質をベースとして、音楽が生み出される場を類型化していく試みなどを批判的に検討しながら、音楽と社会との関係性を捉えるための視座の共有作業を行なった。
また各メンバーはこうした発想を具体的な場所において精錬していくためのフィールドワークを敢行した。代表である小西は、他の研究協力者を伴いインドにおける民族音楽学の研究所を訪れ、そこで行われているコミュニティ教育の実践と音楽との関係を、(単に継承することを目的としない)創造的コミュニケーションの場として分析する試みを行った。
残念ながらコロナ状況下において年度末の研究会が延期となり、各人のフィールド報告と理論化に向けた討議を行うことができなかったが、翌年度の4月以降ウェブ会議を盛んに行うことができるようになり、これまで以上に研究を進めるための情報共有及び議論が推進していることを追記しておく。
特に今年度力を入れたのは、音楽が形成される「場」あり方をホリスティックにとらえるための理論的基盤の構成である。具体的には、ティア・デノーラにおける行為を中心とした音の構成を社会学的見地から分析していく方法の可能性、またアントニー・エニオンにみられるような音の構成が生み出す情動のあり方を多様なアクターが生み出すメディエーション機能との接合の中で見出していこうとする視座、さらにはアーティスト、聴衆、エンジニア、レコード制作に携わる人々などがもたらす媒介の特質をベースとして、音楽が生み出される場を類型化していく試みなどを批判的に検討しながら、音楽と社会との関係性を捉えるための視座の共有作業を行なった。
また各メンバーはこうした発想を具体的な場所において精錬していくためのフィールドワークを敢行した。代表である小西は、他の研究協力者を伴いインドにおける民族音楽学の研究所を訪れ、そこで行われているコミュニティ教育の実践と音楽との関係を、(単に継承することを目的としない)創造的コミュニケーションの場として分析する試みを行った。
残念ながらコロナ状況下において年度末の研究会が延期となり、各人のフィールド報告と理論化に向けた討議を行うことができなかったが、翌年度の4月以降ウェブ会議を盛んに行うことができるようになり、これまで以上に研究を進めるための情報共有及び議論が推進していることを追記しておく。
- ID情報
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- 課題番号 : 18KT0030
- 体系的課題番号 : JP18KT0030
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
東南アジア研究 56(2) 185-214 2019年1月 査読有り筆頭著者
MISC
1-
そして私も音楽になったーサウンド・アッサンブラージュの人類学 200-229 2024年2月 招待有り
書籍等出版物
1-
うつつ堂 2024年2月14日 (ISBN: 4910855017)
講演・口頭発表等
2-
慶應義塾大学教養研究センター日吉行事企画委員会 2023年1月17日 招待有り
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科学研究費助成事業・基盤研究(B)「音楽の継承プロセスと非認知能力の拡張に関する人類学的研究:音、身体、情動」第7回研究会 2021年3月31日