共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2022年3月

微量炭酸塩安定同位体比分析技術を活用した魚類の水温/体温履歴復元手法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21343
体系的課題番号
JP20K21343
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

脊椎動物の骨や歯の硬組織はリン酸塩を主成分とし、5-10%の炭酸基を含んでいる。この微量な炭酸塩の酸素安定同位体比は、変温動物であれば生息環境の温度や環境水を、恒温動物であれば体温や環境水を記録するので、その積極的な活用が可能になれば新たな生態情報の抽出が実現できる。しかしながら、魚類硬組織の多くは分析可能重量を満たせないために、これまでは同位体温度計の検証の術がなく、安定同位体比を活用したアプローチが実現できていなかった。本研究では、微量炭酸塩同位体比分析システム(世界で最も微量で同位体比分析が可能)の改良を行い、魚類硬組織(骨・歯など)から炭素・酸素同位体比情報を抽出し、環境・生態復元への貢献を目指す。
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2020年度は、骨試料を活用してリン酸塩中炭酸塩の前処理方法や分析プロトコルの検証を行い、炭酸塩の安定同位体比を得る手法を確立することができた。また、骨試料の前処理による同位体比への影響評価を行い、有機物除去を目的とした骨試料への薬品処理では、薬品によっては骨中炭酸塩の同位体比に影響を与えることを明らかにした。骨試料を化学分析に用いる際には、薬品による有機物除去による分析値への影響を十分に検証する必要があることを示した。生物飼育実験試料として、温度飼育実験を実施した魚類個体や温度一定の条件下で飼育した海洋酸性化飼育実験の魚類個体を収集し、分析のための試料の剖出作業や飼育海水の同位体比分析を実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21343
ID情報
  • 課題番号 : 20K21343
  • 体系的課題番号 : JP20K21343

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  2