共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

認知症者との合意形成支援システムの研究 - 医療同意、財産管理を例として -

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H04154
体系的課題番号
JP19H04154
配分額
(総額)
16,250,000円
(直接経費)
12,500,000円
(間接経費)
3,750,000円

本研究の目的は、判断力が衰えた認知症の人にとって近年問題となっている、医療同意や財産管理に領域を絞り、家族や支援者と共同して合意形成が行えるよう、AI、ロボット技術などに基づく人間拡張技術の研究を行うことである。そして令和元年度は次に述べる研究開発を実施した。
桑原は認知症者の意思を確認するために、脳波データから課題解決中に理解した時点を推定する研究を実施した。またスマートテキスタイルの技術を用いて、高齢者や認知症者が負担なく脳波や心電を計測できる柔らかいセンサシステムの研究を実施した。さらに高齢者と若年の支援者が快適に会話を行えるコンテンツに関する研究を実施した。米澤は人間の感情推測やそのための感情表現を発動させるインタフェースに関わる研究開発を進めた。特にロボットやエージェントを用いて、それら自身の感情や生理現象を伴い表現を行うことでユーザ自身の感情や意思を引き出すことを試みた。太田はセンサ情報を用いて人の動作や表情を追跡する自律移動エージェントの研究開発のための一ステップとして、天井に取り付けられた魚眼カメラを使用して人間の位置と頭の方向を追跡するシステムを提案した。泓田はタブレット上のエージェントから回想法に関する質問を行い、その質問に回答してもらうことで会話を継続するシステムを拡張して対話中の様子をタブレットのカメラで常時録画するシステムの開発を行った。中村は、エージェントと高齢者の継続的な対話を実現するために,対話からその人個人にまつわる情報(個人オントロジー)を抽出し、Linked Data形式で蓄積・管理する方法を研究した。個人オントロジーをインターネット上のLinked Open Dataにリンクすることで個人に寄り添った話題を生成する。
また他の研究協力者らは当事者とのワークショップなどにより、自分の未来をデジタル技術に託すことへの受容性などを調査した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H04154
ID情報
  • 課題番号 : 19H04154
  • 体系的課題番号 : JP19H04154